時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
この醜悪なる世界
読んだ書物
村上春樹「スプートニクの恋人」
マンリー・W・ウェルマン、ウェイド・ ウェルマン「シャーロックホームズの宇宙戦争」
ベリャーエフ「ドウエル教授の首」
村上春樹「アフターダーク」
ヤン・ヴァイス「迷宮1000」

観た映画
静野孔文×瀬下寛之監督「ゴジラ 怪獣惑星」
フィリップ・リオレ監督「パリ空港の人々」
ジャコ・ヴァン・ドルマル監督「神様メール」

海外ではジョニー・アリデイが世を去り、トランプがエルサレム承認で混乱を撒き散らし、国難宰相は責任逃れに汲々とし、ネット界隈では冷笑バカと自己愛性弾圧パラノイアばかりが目立つ。
吐き気がしそうなほど醜悪な情勢で、人間に対する不信感ばかりが募るが、這いつくばって生きるしかない。格好をつけた、華やかな人気者ばかりが世の中の全てではない。世界の大部分は虫けらのように扱われ、人として誰からも相手にされず、のた打ち回りながら生きる名も無き民衆によって成り立っているのだ。いい加減、舐めるな。

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愚かさに国境は無い
「夢見るテレーズ」撤去請願運動の話題を聞いて、この連中の狂気も来るところまできたかという思いである。そのうち自分の肉体に生殖器が付いているのを見て卒倒するのかも知れない。
何度も言うが、この種の手合いが人間性の抑圧と抹殺以外の何者をも志向したことが無く、これからもするつもりが無いのは火を見るよりも明らかである。そこに妥協の余地など生まれるべくもないのだ。
いかに尤もらしいごたくを述べようとも、愚劣な運動は愚劣なだけである。海外も日本もありはしない。この種の政治的文化警察の決めた価値綱領などを、世界標準などと奉る義理など存在しないのだ。

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「良き社会秩序」の番犬たち
イオン-ミニストップ騒動から、コミックLOのツイッター凍結と、もうあほらしくなった。

こと「性」にまつわる事柄になると、多くの自称リベラルは馬脚を現すものである。本田勝一や広河隆一の時点からその萌芽はあった。この者共は、「エロはいけないのだ、だめなのだ」という、旧態依然たる価値観をそのまま運動圏に引き込んできた。差別だの何だのといった理由は全て後付けである。「清く、正しく、美しく」といった、途轍もなく陳腐で退嬰的な人間観がこの根底に据えられている。一口に言って、只の政治主義者である。人間には全く興味がなく、どうでもいいと考えている連中である。その点、自民、公明、維新などと何ら選ぶところがない。あるいはむしろ、誰かを糾弾し、社会的に叩き潰すことで嗜虐的快楽を享受しているのではないか。そうわたしは睨んでいる。「糾弾している自分は偉い」という醜怪な自己陶酔。
リベラルの正体見たり保守反動。この種の自称リベラルの運動など、ろくな結果を齎すことはない。鼻を摘んで支持する必要などはない。倒すべき存在なのだ。

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ひとつの死
塩見孝也が亡くなった。
今更解説するまでも無いが、共産主義者同盟赤軍派の建党者である。この人と直接会ったことは無いが、とにかく良い噂を聞かない人だった。彼に親しくなればなる程、やたら悪口ばかり言う人が多くなるのが特徴的だった。いい例が後に戦旗派を築いた荒岱介だろう。「昔は塩見さんの言ってることが全然わからなかった。今でもよくわからない。わからなくて良かったんだな!」といった具合である。
関西ブント時代に荒をオルグするため、床下に穴を掘って待ち受けていたというようなバカバカしい内輪話はまだいい。だが、妄想めいた前段階武装蜂起論、仏徳二リンチ事件などの醜悪な活動に至っては擁護しようが無い。
出獄後の連合赤軍総括論争では責任を森恒夫達に全部押し付けたり、北朝鮮をやたら称えてみせたり、その流れで民族主義団体を作ってみせたり、目に見える範囲でも珍プレーが多すぎた。あまり関わりたくないというのが、わたしを含めた大方の印象ではないだろうか。
学生の頃、塩見の家にはレーニン全集が一揃いあるきりで、他には何も無かったという。武装闘争と内ゲバに明け暮れ、獄中二十年。出獄後は駐車場の管理人として細々と暮らし、3・11後の情勢に対しては何とかしたいと思っていたようだが、そのままひっそりと亡くなっていった。荒岱介のように晩節を汚すことこそ無かったが、この人の人生は一体何だったのだろうな、と思えてならない。「「憂鬱なる党派」の岡屋敷のように生きられたら幸せなんじゃないか」と彼は語っていたというが、実際はどうだったのだろうか。

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読んだ本、観た映画 2017.11.14
読んだ本、観た映画の題名を備忘録的に記しておく。感想はおいおい記すことになるだろう。他にも読んだ本があるような気がするが、思い出せない。物忘れが進行するのは面白くないもので、差し当たり記録を残すことでこれに抗いたい。
「まどマギ」は数ヶ月前に観たのだが、感想を記すのを忘れていたのでここに書き留めておく。ちなみに、わたしの評価は今回も高くない・・・というより低い。

読んだ本
村上春樹「色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年」
カート・ヴォネガット「タイタンの妖女」

観た映画
「魔法少女まどかマギカ 叛逆の物語」監督:宮本幸裕
「フランドル」監督:ブリュノ・デュモン
「ブレードランナー2049」監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ(こちらは二回観た)
「高慢と偏見」監督:ロバート・Z・レナード
「高慢と偏見とゾンビ」監督:バー・スティアーズ

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故宮のことなど
ドナルド・トランプが故宮を訪れたという。嘗ては紫禁城と呼ばれた、あの故宮である。古くは明の時代。永楽帝の治世にまで遡るこの途轍もない建築物は東アジアの壮大な遺産だが、このブラックゴーストの手先のような男が足を踏み入れたかと思うと実に不快だ。まあ、それは嘗ての日帝にしても同様なのだが。

わたしがここを訪れたのは初夏のころであるが、流石に北京随一の観光地だけあって、人だかりが並大抵ではない。北京の街では杭州と違い、何故かあまり多くの人が歩いているのを目にしなかったが、観光地となると別格である。
さて、この故宮であるが、とんでもなく広いのである。広大な土地のでかい建築物の向こうに出ると、まただだっ広い広場の向こうにでかい建物がある。この繰り返しで、いつ果てるとも知れない壮大さには圧倒される。因みにこの故宮、内部の財物は国共内戦時に悉く台湾に持ち去られたため、わたし達がここで目にできるのは壮麗な建物のみである。
ふと上方に目をやると、漢字の脇に見慣れない文字が見える。ああ、満州文字だ。現在では殆ど使われることの無くなった文字であるが、この不思議な書体がこうして鮮やかに描かれているのを見ると、明から清朝に至る歴史の重みの刻印を感じ取る思いがした。この国の歴史の厚みは、そのグロテスクな側面も含め、並大抵ではない。

この後、天安門でひと悶着あったのだが、それは別の機会に記そう。

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生きてさえいれば
選挙結果は虫唾が走るので、今更語りたくも無い。イバンカの来日ではしゃぎまわる莫迦については、来世でのやり直しを待つ他無い。そうこうしているうちに、その父親が来日した。この男の言動にもうんざりだ。戦争をけしかけろとでも言うつもりか。
そんなこんなで、映画の話題である。

ダンケルク 監督:クリストファー・ノーラン
ダンケルクの壮絶な史実はよく知られている筈であるが、この日本においてはそうでもないらしい。ドイツ軍に追い詰められた英仏軍が、ダンケルクからイギリスに向けて大脱出を敢行したという出来事である。ポール・ギャリコの小説の題材にもなっていた筈である。この小説にインスパイアされたキャメルがアルバムを製作しているが、まあその話はどうでもいい。
映画は様々な人間模様の中に、勇気、怯懦、献身、エゴ等々をちりばめて描き、なかなか見ごたえがあった。無論、敗走の記録には違いない。そのため、カタルシスの無さに不満を描く人もいるかも知れない。だが本作に描かれているように、一兵卒にとって真に英雄的な行為とは、生きて帰ってくることである。ここを勘違いして欲しくないと思う。

トランスフォーマー・リベンジ 監督:マイケル・ベイ
間違えて借りてしまったのだが、取り敢えず我慢して観た。ただただ、ひたすら詰まらない映画だった。おかげで完全に調子が狂った。勘弁してくれ。

他に、「ブレードランナー2049」、「フランドル」を観ているが、ブレランはもう一度観てから感想を述べておきたい。さしあたり実に重厚で、尚且つしっとりした味わいのある作品だったことは報告しておく。



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全てであるに至るために、何者でもなくなるということについて
ブーレ/ペネロプ・バジューの「白い一頁」を読む。邦題は「エロイーズ」。フランスの漫画、いわゆるバンド・デシネである。
バジウの作画は単純なようでいて、色使いのセンスが非常によい。このあたり、わが国のクリエイターにも、大いに参考になると思う。
ストーリーは、記憶喪失に陥った若い女性の物語。ある日、気づいたら彼女はベンチに座っていた。自分は誰か?何故ここにいるのか?まるで思い出せない。持ち物等から自分の住まいを割り出し、かろうじて帰宅。まるで他人の家のようにしか思えない自宅で、彼女は必死で自分の手がかりを探し出す。自分は何者なのか?もしかして自分はスパイで、記憶を消されたのではないか?
妄想を逞しくする彼女だが、自分の名がエロイーズであり、書店で勤務していたことなどをたどたどしく割り出していく。結局は平凡な一市民でしかなかったのだ。だが、記憶は一向に戻らない。病院の診察を受けても、何ら異常は認められない。生家を訪ねると両親は既に他界していた。
最終的に記憶を失うに至った原因も理由も見つからず、彼女は探索を断念。鬱々とした日々を過ごした後、今の自分を受け入れ、新しく生きなおすことを決意する。

ここで彼女はそれまでの探索から、ひとつの仮説を立ててみせる。彼女、つまり嘗ての自分は自らのアイデンティティを確立しようと模索していたのだと。そのため、自分の店で薦めているような、誰もが読む本を読み、誰もが観る映画を観る。つまり、みんなのようになること。だが、「みんな」になった途端、彼女は誰でもなくなってしまう。「みんな」とは、不特定の、誰でもない抽象だからだ。そうして彼女は文字通り「自分」を失ってしまうに至ったのだと。
これは本作のメタファーの種明かしと考えていい。主人公は語る。「皮肉なものよね?彼女は消えてしまったの。彼女は何者かになろうと必死に追求していたのに、全てを消し去ってしまったのよ」
流行を軽んずるべきではないが、流行を追ううちに自分を見失うというのは往々にしてあることである。この流行とは、趣味や嗜好の問題に限らない。わたし達は振り回されないだけの「自分」を持っているのか?生き方の密度が問われている。

page blanche

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読書録2017.10.11
何も書かないでいるのも何なので、最近読んだ本のことを記す。「タイタス・グローン」はかなり読むのがきつかったので後回しにレビューするつもり。

生田耕作「ダンディズム」
18~19世紀を魅了した、ボー・ブランメルなる人物の生涯を中心に、かれが残した様々な文化的爪痕を探る。だが、正直わたしはこの人物にあまり関心が持てなかった。ふぅん、といった程度である。こちらも年をくったせいだろうか。
とりあえず、時代に名を残した人物についていろいろ参考にはなったので、その点意義のある読書ではあったと思う。

ブロック「アーカム計画」
題名から窺い知れる通り、クトゥルフ物の二次創作である。「サイコ」の著者であるロバート・ブロックは実績のある作家なだけに、なかなか読ませてくれる。ナイアルラトホテップに翻弄される元夫婦の奇怪な運命を描いたものだが、ミステリアスで禍々しいクトゥルフ・ストーリーを飽きさせずに展開していく筆致は見事なものだ。
とどのつまり人類はめでたく滅亡を迎え、末尾にはとんでもないどんでん返しが待ちうけている。ラヴクラフトファンにはお奨めだが、残念ながら本書は品切れ状態になっているらしい。復刊により、多くの人の目に触れることを望む。

レム「枯草熱」
著者は「ソラリスの陽のもとに」のスタニスワフ・レム。私が読んだのは、今はなきサンリオ文庫版である。
枯草熱とは花粉症のこと。イタリアで立て続けに起きた謎の狂死事件の捜査に乗り出した元宇宙飛行士の主人公の姿を描く。舞台はイタリアからフランスにわたるが、日本人青年が空港で爆弾テロを起こす場面などがあり、時代を感じさせる。最終的に開発途中の化学薬品が原因であり、一定の条件が揃った際に狂気の発作が始まることが判明する。だが種明かしよりも、終盤に主人公が襲われる強烈な幻覚の描写が鮮烈だった。
大傑作というほどではないが、なかなかユニークな作品である。

この他、「ブラウン神父の知恵」を読み終えているのだが、こちらはもう少し色々腰を据えて考察してみたい。

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プロフィール

のわーる

Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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