時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
状況 2017.2.23
安倍晋三が菅直人に勝った勝ったとはしゃいでいる。「海水注入を止めたのは菅だ」と自身のブログでデマを飛ばし、名誉毀損で訴えられた件である。裁判の結果は単純である。「安倍の記述は虚偽であるが、名誉毀損には当たらない」というものである。
だが、勢いに乗った安倍は勝訴と言う結果を受けて居丈高な姿勢を取り始める。こうして「菅が全面的に間違っていた。安倍がそのブログ記述を含め、全面的に正しかった」という印象が振り撒かれるわけである。
菅直人がTPPなどでやらかした罪状はひとまず措く。嘘も百回言えば当然に本当となってしまうことが問題なのだ。ére post-vérité、真実以後の時代をわたしたちは生きている。

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「日本あげます」
相変わらずの朝貢外交。米国の雇用創出、巻き上げた年金をガッポリ献上、さらに水道民営化と、もはや売国ですらない譲国の極みであるが、これを「さすが」と持ち上げる報道各社も相当なもんだ。「日米FTAを早急に締結すべき」などとのたまうサンデーモーニングのコメンテーターには怒り心頭に発する思いだった。
民衆の無関心を嘆いてみても仕方がない。洋の東西を問わず、社会運動は遥かな過去よりこの問題と格闘し、絶望し、のた打ち回ってきたものである。ゴミみたいな輩が「だからサヨクは嫌われる」などと寝言をホザくのを真に受けて、「私達も反省を」などとお人好しを演じても仕方がないのだ。プレゼン能力?巧みな戦略?そんなものは既成与党が莫大なゼニにモノを言わせて、何十年も前からやっているよ。同じ土俵に立っても仕方がない。資金力ひとつとっても太刀打ちできるか?結局は手探りで悩みながら模索していくほかない。

それはそうと、この両画像の一致感は一体何なのだ。

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断じてポエムではない。世迷言である。
「【愛国者】 ・・・政治家には莫迦みたいに騙され、征服者には手もなく利用される人間」 
-  アンブローズ・ビアス


1月の下旬までは私事で忙しい。いずれ明らかにすると思うが、今はその内容をあまり語りたくはない。まったりと与太話など展開したいものだが、なかなかそうも言っていられないのが現状である。

安倍の外道が真珠湾で内容空疎な虚言を弄していたが、行くのなら柳条湖であり、コタバルだろう。日帝がアジア各地でやらかした惨禍は数多く、それらを無視してあの戦争と向き合うことは不可能な筈である。勿論、安倍にとってはそんな事はどうでもいいのだろう。この男はただ、米国の御機嫌取りをしたいだけなのだから。
沖縄ではヘリパッド工事が着々と進み、辺野古の基地建設もいよいよ本格的に乗り出そうとしている。アイヌ・モシリである北方領土は「どうぞどうぞ」と差し出し、この国は全力で主権者、民衆を滅亡させようと邁進しているらしい。尚、ニュースによれば安倍政権の支持率は上がっているそうだ。

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まだ何も終わっちゃいない
既にニュースで伝えられたように、経産省前の脱原発テントが強制執行により撤去された。国家権力によるテロリズムの嵐は、いやましに強まっている。為政者にとっては、抗議がなければ原発問題は存在しない。昔、いじめを受けていたときに悲鳴を上げたら、教師から頭ごなしに怒られたことがある。つまり、被害者さえ黙っていれば、事件は存在しないとするのが、この国の一貫したならわしなのだ。
高江ではまた高齢者が警察に危害を加えられ、ジャーナリストが逮捕された。文句を言うな、黙っていろ。お前が騒ぐからみんなが迷惑する。お前さえ黙っていれば、何の問題も存在しない。社会の平穏は保たれる・・・・・・
くたばれ、そんな社会。

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仕事帰りにテント跡を視察にいったが、テントのあったスペースをまるごと覆うように、フェンスが建てられていた。悪意に満ちた挑発である。年配の人がフェンスに「1808日」の札を引っ掛け、撮影を行っていた。何も終わってなどいない。

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「六号室」と現代
アントン・チェーホフに「六号病室」という作品がある。舞台は精神病院で、主人公はその医師。あるとき彼は、ユニークな開明的主張を披瀝する青年患者に出会い、彼と対話を重ねていく。だが、そうするうちにやがて彼は周囲から奇妙な目で見られるようになり、最終的に「狂人」と看做され、自ら病棟に叩き込まれてしまう。この短編はかなり寓意的な作品であり、19世紀ロシア社会の状況を描いたものとして、古典的な名作となっている。
ところで、この主人公の置かれた状況に覚えは無いだろうか。精神病棟云々ということは抜きにしても、当たり前の事を話している筈が、いつの間にか異常者扱いされてしまっているということは珍しくない。具体的に言おう。「戦争反対」「憲法を守れ」という主張は普遍的に当然のものと、戦後長らく考えられてきた。だが、いまやこれらの主張は「偏向的」であり、犯罪に準ずるものとして扱われつつある。改憲に反対すれば連行され、平和を守ろうとすれば、職務質問を受ける。
ことは公権力との関係に限らない。政権に批判的な言動が奇矯とされ、周囲から気味悪がられることは珍しくはない。信頼していた人が、手のひらを返すようになる。運動を続けていく中で友人を失った人も多いと思う。
そうした中で、自分がどんなに正当な主張をし、輝いているつもりでも、社会の相当数からはまともな人間として見られてはいないんだぜ、という自覚も持ったほうがいい。その困難を自覚しなければ、「我々は伸びている、多くの人々が我々を支持している」と勘違いを続け、手痛いしっぺ返しを食らうだろう。
3・11以降、至る所でメッキが剥がれている。この社会はわたし達の知る日本社会では、既にない。

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のわーる

Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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