時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
明日の神話
長崎の原爆忌。
引き続き核とサブカルの話から。
小松左京に「見知らぬ明日」という中篇がある。圧倒的な軍事力を持った宇宙人により、地球が一方的に攻撃される話。彼らの前には地球上の如何なる武器も効果がない。なすすべなく、途方に暮れているところ、唯一核兵器のみが若干の効果を持つらしいことが判明する。最後は富士山頂の宇宙人基地を水爆で爆破しようという絶望的な場面で終わっている。
記憶が曖昧なので、論評は差し控える。ただ核を巡る、勝利の展望なき暗澹たる未来像に戦慄を覚えたことは記しておきたい。ちなみに「復活の日」では、細菌兵器の菌が核兵器の放射能によって死滅するという、アイロニカルな落ちがついていた。

井上光晴の詩集が漸く見つかった。あまりこの人の詩作品は好きではないが、ひとつだけ心に残っているものがある。過去にも引用したが、再度掲載する。題して「てまりうた」という(この詩の成立過程についても彼は色々語っている。何でも米軍のビラの文句が原型になったというが、この人は虚言癖があるので信憑性には疑問が残る)。

四月長崎花の町
八月長崎灰の町
十月鴉が死にまする
正月障子が破れはて
三月淋しい母の墓
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テーマ:本読みの記録 - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント
日本沈没
いや、復活の日。  

細菌に核兵器をリンクさせる内容は、当時、新鮮でした。もちろん、書籍の方です。 

実は、映画の方を先に観ておりまして(リアルタイムで、魚を叩きつけるシーンくらいしか憶えておりませぬ)内容的に「……」だったので、書籍の方は随分後でしたが…。   

「核」を否定的(あからさまに強く否定はしていませんでしたが)に描写するあたり、映画「ゴジラ」や「ガメラ」に慣れてきた世代としては、戸惑いました(ゴジラ、ガメラのノベライズ、どこかにあるはず)。  
今なら、「ライトノベル」として書いて欲しい、と編集者から言われたりして(別にラノベは否定しませんが)。 

なんか、言い訳がましくてすいません。
【2012/08/10 02:03】 URL | ダムド #- [ 編集]


前のコメント。 

「核」を否定的、は→やはりのわーるさんが仰る通り、アイロニカル的、と言い換えた方が、良いですね。
【2012/08/10 15:16】 URL | ダムド #- [ 編集]

日本以外全部沈没
>復活の日
深作欣二の映画版は多岐川裕美の鬼気迫る怪演と、無人となったワシントンの風景が印象的でした。ここだけは子供心に「怖い」と思ったものです。ちなみに樋口慎嗣のリメイク版「日本沈没」は、結局「沈没」しないという、実にめでたしめでたしな結末だったそうです。
>ゴジラ
一作目の「ゴジラ」は完全に戦争/原爆のメタファーでしたね。「第五福竜丸」と較べても遜色の無い出来栄えです。キアロスクーロの美しさには目を瞠りました。
尚、香山滋の原作は未読です。
【2012/08/11 01:23】 URL | のわーる #- [ 編集]


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Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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