時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
核とマンガについて
核問題を扱った映画は枚挙に暇がない。新藤兼人の諸作品をはじめ、「ゴジラ」、「太陽を盗んだ男」、洋画では「ウォー・ゲーム」から「サクリファイス」まで、数え上げればきりがない。
では、核を扱ったマンガとして思いつくのは何だろう。とっさに思いつかない。中沢啓治「はだしのゲン」は別格として、手塚治虫「火の鳥」、石ノ森章太郎「サイボーグ009」、白土三平「消え行く少女」、宮崎駿「風の谷のナウシカ」あたりが代表格か。放射能汚染で滅びかけた地球を救う、「宇宙戦艦ヤマト」を含めてもよい。細かい作品を加えればいくらでも思いつきそうだ。
永井豪の「デビルマン」では、極度の相互不信に陥った人類が、核戦争で自滅する。さながらラスコーリニコフの悪夢の場面のようである。武論尊・原哲夫「北斗の拳」は核を直截に描いた作品ではないが、核=破滅という認識は受け継いでいる。
勿論、出版界の意向もあるだろうが、日本人の意識において、核の問題は絶対的なタブーとして存在していた。このことは、マンガにおける核のイメージにもよく反映されている。これは記憶にとどめておいてよい。

個人的な思いをいえば、幼少時に読んだ石ノ森(当時は石森)の「サイボーグ009 移民編」の印象は強烈だった。この作品は、全面的核戦争に至った第三次世界大戦で人類の殆どが滅亡してしまうというもので、かろうじて生き延びた人々が重度の放射能被害で苦しむ様が描かれていた。奇形の描写は惨鼻を極め、現代であれば到底発表できない性質のものである。だが、このような方法だからこそ訴える事の出来たメッセージがあった筈である。ケチをつけるよりも、真摯に作品と向き合う眼差しを養う事が重要だろう。
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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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