時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
オリンピックの幻影
オリンピック、とやらであるらしい。力と資本の祭典。取り立てて熱狂する気にもなれず、どうでもいいという、醒めた感情があるばかりである。だが、こんな私でも、テレビ放送があれば漠然と見る事だろう。反発があるとすれば、それが開催地に多大な負担を強いる事であり、専ら為政者の威信のために行われるということである。この期に及んで東京にオリンピックを招聘しようとするのは愚の骨頂である。
軍隊を動員した物々しい警備は、ミュンヘンの悲劇よりも、メキシコの「血塗られたオリンピック」を想起させる。「クーベルタンは「国家の尊厳」に殺されてしまったのだ」と寺山修司が喝破してから既に久しい。綺麗事は言わない。それが国家間の代理戦争であるということは誰もが知っている。だが、この巨大な祝祭空間には、それだけでは収まりきらないものは、確かに存在する。
安部公房は生前、オリンピック的なものへの嫌悪をしばしば語っていた。だが、安部の議論はいつもながら理念があまりにも先行しており、おいそれと賛同する気にはなれない。そこからはみ出していくものが、必ずある筈である。要するに、一面的に単純化しすぎるのだ。いささか芸がなさすぎないか。
私はと言えば、あーだこーだいいながら、結局は観ているという、そんな調子で今年のオリンピックを眺める事になると思う。いつもと同じように・・・

付記:私のこの一文を読んで、「オリンピックへの一面的な悪口だ」と思うなら、それは馬鹿者である。
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この記事に対するコメント
さて、朝生
ムムッ、どうやら、調子が戻ってきたようで、何よりです。  

ええ、私も観てしまいます。「蹴球」は既に予選リーグスタート、まさか、スペインに勝つとは!(蹴球歴8年の悲しき性)。 

多少知る立場として、オリンピックに興味を示すのは、極東アジアの国民だけですよ。 

昭和39年、東京オリンピックの下準備として、暴力団に対する「頂上作戦」が実施され、そして、東京都では「青少年健全育成条例」が成立、施行、等々。 

んで、現都知事のアナクロニズム的思考に付き合わされるのは、真っ平御免。前回の東京オリンピック、都民アンケート、賛成60%でも、IOCからは「低い」と評価された事が敗因、で、今回は、賛成47%、もう勝敗は決まったようなもの。さらに震災以降、国際社会から日本の評価はダダ下がりまくり中。官邸前抗議行動に対する警察の対応はついに、保守的な、ワシントンポストからも批判的に報道される有様。 

他にも、フランス、ルモンド、イギリス、ガーディアン等も同様。ドイツ、シュピーゲルは不明だけど。  
◆久々に「朝生」視ています。テーマは「改憲」。
 
目当ては政界一のどチンピラ、西○昌○の暴走ぶりのウォッチング、早くも「日本国における主権は(国民ではなく)日本の歴史そのもの」って、意味が解りません。早よ、本音言わんかい!「基本的人権の剥奪」と!。  

あっ、ついに、このオッサンぶちキレ出した。そのまま暴走して「墓穴」を掘れ。 
荻上チキ頑張れー。
【2012/07/28 02:52】 URL | ダムド #- [ 編集]

ひとつ割と好きな小説を生み出したりもしていて
オリンピック…というと、割と好きな小説をひとつ生み出したりもしていて、いや田中英光の「オリンポスの果実」なんですけど。
全編「好きだ、好きだ」しか言ってなくて呆れるっちゃあ呆れるんですけど、あそこまで呆れさせてくれちゃう片恋小説も余り無いような?「うーん体育会系ここにあり」みたいな?でもって、後の田中英光は相当荒れたような感じでその辺の作品は読んでないので大したことも言えませんが。でもあの単細胞?な高揚感は絶対好き!だったりします。微妙に陰のある逸話も入ってた様な気もしますが…。
五輪。スポーツ競技というものは僅かな例外除いて(馬術とか射撃とかの一部)若者が主役ですから、そこが又「既に若くはない大多数の普通の人間」に、何か意識出来ない寂しさまじりの楽しさを与えてくれたりするのかなぁ?だから皆つい夢中になるのかなぁとか思ったりします。
【2012/07/28 03:06】 URL | ふぶら #- [ 編集]


>ダムドさん
社会生活そのものを、巨大なマスゲームにしたがっているようですね。海外(どこの?)から見て恥ずかしくない国づくり、をスローガンに、北朝鮮みたいな国にどんどん向かっていくという、珍妙な事態が生じています。
これはオリンピック招致、デモ規制、壊憲、全てにいえることだと思います。

>ふぶらさん
> 田中英光の「オリンポスの果実」
高校生の頃に購入したままツン読の状態です(苦笑)。どうも恋愛絡みの話は不得手な方で、敬遠してしまう傾向があるようです。自分とは縁遠い世界だし、破局に終わるのは落ち込みそうだと・・・今度ちゃんと読んでみたいです。

手元にリーフェンシュタール監督の「オリンピア」(民族の祭典、美の祭典)があるので、じっくり観てみようかとも思います。いずれも500円の廉価版。何故か「意志の勝利」まであるのですが・・・
【2012/07/29 00:37】 URL | のわーる #- [ 編集]

あっ純然たる片恋だったかと(汗)
あっ「オリンポスの果実」は、「恋愛小説」というよりは、純然たる「片恋小説」だったかと(読んだのがかなり昔なんで記憶は曖昧ですが…)。とにかく恋愛「以前」だろコレ?もう内心の「好き好き、好きです」ばっかりで、具体的現実的に何ら先進んでないだろヲイ?えぇいデカイ図体した壮健なる男子が一体、何やっちょるんぢゃあ~っ!…みたいな?(何しろ当時の日本人としては破格の身長180cmの大男しかも五輪選手ですから)
逆に言うと「中学生の告白レベル」にすら到達していない程の段階で、それで「小説」になっちゃってるのが凄いっつーか呆れるっきゃないと言うか(苦笑)。
最近の言葉で「中二病」なる不可解な文言があるようですが、もぉその「中二」にも進んでないんと違うかぁ~?!的なツッコミ盛大に入れられるかと思います。つまり「ツッコミ入れ放題」にもかかわらず、なんか「素敵な小説」なのが…訳わからなくて好きです。
訳わからないものは大体、とても好きになるのが女子なのかも?(言い訳?)
ちなみに自分がこの小説を知ったのは、別の推理小説の題材に使われていたからでした。その推理小説と作者の名前を思い出せずに今困っています(笑)
【2012/07/29 03:14】 URL | ふぶら #- [ 編集]

Re: あっ純然たる片恋だったかと(汗)
何というか、「かなわない恋」の話を読み進めるのが辛いので、そのまま放置していました。
私がこの小説を知ったのはアニメ版(未見)が放映されていたのがきっかけです。その後、太宰治との関係で記憶に刻まれるようになったのですが。
とか何とかいっているうちに、もう半分以上読み進めました。今、オリンピック開会式のくだりです。
【2012/07/29 23:42】 URL | のわーる #- [ 編集]


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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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