時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
「俺が法律」なのか
日本国憲法第39条には「刑罰法規の不遡及」が定められている。法律学的には、罪刑法定主義の論理的帰結としての「事後法の禁止」と呼ばれる。
これは、適法であった行為を、だまし討ち的に事後法でもって断罪することは許されないということである。このようなことが認められたら、たとえ法律を遵守していても、いつ何時罪に問われてもおかしくないことになってしまう。これでは安心して社会生活を営むことすら困難となる。
例を挙げよう。毛沢東時代の中国で、百花斉放運動で党への批判を奨励したことがあった。その直後、反右派闘争と称して批判者を次々と粛清、弾圧していったのである。
このように、為政者の勝手な動向により市民生活が脅かされないように、「事後法の禁止」という原則が定められている。
しかるに、大阪市ではこうした近代的な法原理が認められていないらしい。それ自体に違法性の無い「刺青」が身体に施されていることを理由に、後から作ったルールで職員をいとも簡単に解雇しようとする。通常、労働者の解雇にはそれ自体厳しい条件が存在するのだが、それにもかかわらず、である。ここには論理性もへったくれもない。「ムカつく、やっつけろ」それだけである。法律はそこでは一切機能しない。為政者にとって都合のいい部分以外は、法律は意味を成さないのである。
そして不気味なのは、このような事を言い出した市長の尻馬に乗り、職員に憎悪をぶつける人々が多く見受けられることである。誰かを断罪することによって、自らの正当性を確保しようとするのだろう。「あいつは悪い奴なのだ、そして私は偉いのだ」そんな自己確認をして何が面白い?私達の社会に病理があるとすれば、むしろそちらの方だと思われる。
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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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