時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
「日本人の物語」から少し離れて
北の国で核実験が画策されているとのもっぱらの噂である。福一みたいな状態にするつもりか。それでなくても核実験並みか、それ以上の災厄をもたらしたばかりだ。これ以上核種を撒き散らすのはやめてくれ。

数年前、どこからも爪弾きにされた映画評を掲載する。文句を言うなら観てからにしようと、わざわざ公開時に劇場まで足を運んだ自分を褒めてやりたい。ちなみに劇場は、映画の舞台となった場所の目と鼻の先である(慰霊碑の写真はこちらに掲載 http://noir731.blog106.fc2.com/blog-entry-121.html)。

橋本忍脚本の映画「私は貝になりたい」(監督:福澤克雄)を観た。すでに過去に幾度もリメイクされ、花田清輝のパロディにまでなったこの作品については、いまさら解説する必要もないだろう。
今回の劇場版は主人公の冤罪を強調したことから、「日本人はカワイソーな被害者である」というメッセージとして、広く受容されている。そのため、多くの共感と反撥が寄せられている事も周知の事実である。
だが、気になったことがある。あくまで架空の話だが、仮にこの映画の舞台が現代であったとしてみよう。そして、この主人公が北朝鮮の兵士であり、捕虜として殺されたのが日本人だったとしてみよう。「将軍様の命令には逆らえない」というわけである。どうだろうか。多くの場合、共感層と反撥層の位置関係が逆転するのではないだろうか。無論、国籍の置きかえによって主張が変わるようであれば、論として失格である。
「この主人公の自己弁護の無様さは、いかにも日本人的である」という説を私は信じない。あのアドルフ・アイヒマンもまた、「私には罪はない。私は忠実に職務を果たしただけである」と言い募っていた。つまりどこにでも起こりうる話なのではないか。
「日本人の物語」と限定して捉えるのではなく、今日的、普遍的な課題と関連付けてみると、案外、この凡作からも反面教師的に得るところがあるのかもしれない。
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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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