時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
死刑を利用する者たち
「いつになったら君等は、人間を閉じ込め死なせる学よりも、人間を知る学を尊重するようになるのだろう」(D.A.F.ド・サド)

以下の文章は一ヶ月前に某所に投稿したものである。どうやら没が確定したようなので、一部を加筆修正の上、こちらに掲載する。尚、本件の弁護活動に対し、悪質な妨害行動を行った人物についても意見はあるが、別の機会に譲ることとする。あまり頻繁に奴の名を出すと、こちらまで穢れるような気分になるからだ(尤も、結局は否応なしに取り上げることになるのだが)。

光市事件の死刑判決。判決もさることながら、報道の浅ましさに怒りを覚える。
周知のように、この事件についての殆どの報道は、突如実名報道に切り替えられた。あるテレビ局は、「死刑判決が下ったので、実名報道に切り替えた」という。「死刑が確定した以上、元少年は死人と同じだ。死人に口無しだから、もう遠慮せずどんどん晒し者にして視聴率を稼ごう」とでもいうのだろうか。もっともらしい屁理屈の影には、嗜虐性への媚態が見え隠れする。この間の報道姿勢を見ると、彼らにとっては、殺人事件も死刑判決も、結局は自らの飯の種でしかないように思える。断罪されるべきは、報道自身である。
現法相は死刑に積極的な姿勢であるという。この点が実に気に掛かる。あまり考えたくないことだが、仮に本件の死刑が直ちに執行されるようなことがあれば、明らかにウケ狙い、熱狂した世論に対する点数稼ぎである。ヤクザが「敵方の幹部をトって「男」になる」というのと、どう違うのだろうか。死刑の政治利用とは究極の計画殺人である。許されることではない。私たちは警戒して臨むべきだろう。(2012.2.20)
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職業「騒ぎ屋」
ペンクラブ、シンポジウムで田原総一朗氏曰く僕ら(マスコミ)は一昔前まで「ヤクザな業界」と言われていたんだ』と言われて思い出した言葉が「ブンヤ」さらに記憶を辿ると「たかがブンヤ風情が」…よく昔の映画で常套句だった記憶が。その「ブンヤ」の下にテレビ局記者が云々という構図でしたよね?それがいつの間にか勝手に他人の「褌」を締めようとする「こやつら」。 
のわーるさん、おそらく憶えていると思う。15年位前まで新聞の読者投稿欄に「テレビを視る時間を制限しよう」とか「ノー・テレビ・デーを実践しよう」等々、散々掲載されたモンだけど今はどう?新聞・テレビ味噌糞時代に突入し、かつてあれだけ批判された太陽族世代や団塊世代を動員して陳腐な「俗流若者論」を振りかざし「共通の敵」をぶっ潰そうとする姿は滑稽ですね。前にも書きましたが、このまま順調に発行部数も視聴率も右肩下がりで自滅して欲しいです。まぁ、東京新聞とTBS報道特集は残って欲しいですけど。
【2012/03/19 23:59】 URL | ダムド #- [ 編集]

Re: 職業「騒ぎ屋」
>ノー・テレビ・デー
そういえば、ぱったりと見かけなくなりましたね。最近では制服向上委員会の「TVにさようなら」があったくらいでしょうか。
笠原和夫が父親から「新聞記者と刑事には絶対なるな、人間がゲスになる」と散々言われていたそうです。
実際、態度も尊大、言葉遣いも粗野、それに、<猟犬>の臭いが抜きがたくあると笠原は述懐していました。刑事がゲスなのは当たり前で(笑)。

>新聞・テレビ味噌糞時代
何だか、人間性の洞察というものが徹底的に蔑ろにされているような気がするんですよね。薄っぺらな人間観が蔓延しているというか・・・やはり、政治にも報道にも、イマジネーションというものが必要だと思います。
【2012/03/20 22:44】 URL | のわーる #- [ 編集]


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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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