時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
TATTOO[刺青]あり
大阪市の橋下徹市長が、市職員の入れ墨を禁止するルール作りを関係部局に指示した。
市の児童福祉施設の男性職員が子どもたちに入れ墨を見せ、2か月の停職処分を受けたが、市側の指導で長袖シャツで隠したまま職務を続けていることを問題視し、「入れ墨だけでクビにできないのなら、消させるルールを」と服務規律を厳格化する方針だ。
市の職員倫理規則に入れ墨の規定はないが、橋下市長は関係部局への指示の中で、「入れ墨をしたまま正規職員にとどまれる業界って、公務員以外にあるのか」としている。(読売新聞)


毎回、こんな下らん人物のことを話題にしても仕方がないのだが、いちいち全裸にむいてチェックするつもりなのかね。ブラック・ジャックじゃあるまいし、入れ墨はそう簡単に消せるものじゃないだろう。そもそも入れ墨を消すためには、改めて身体に施術する必要がある。そこにはリスクも予想される。また、入れ墨自体は犯罪ではないので、こうした施術は憲法の禁ずる「意に反する苦役」に該当しないか。
別に私は入れ墨擁護派ではない。だが公権力の意向によって、改めて身体にリスキーな加工を施すことには反対である。そもそも身体は公権力の所有物ではない筈だ。

余談であるが、南洋では成人式などに呪術的な入れ墨を施す地域がある。全身に行う場合もある。諸星大二郎の「マッドメン」の主人公などはそれを基にしている。ストーンズのジャケットを思い出してもいいだろう。顔にまで彫り込むのはぞっとしないが、日本でもアイヌの女性が、結婚すると口元に大きな入れ墨を彫っていたことが知られている。これらはいわば通過儀礼的な意味合いが多いといえる。そう考えれば、ヤーさんが彫り物をするのも「カタギの世界から外れる」という通過儀礼といえるかもしれない。勿論、ハクをつけたいというのが主ではあるが。
谷崎潤一郎の「刺青」では、女郎蜘蛛の入れ墨を彫られた女性が「美」そのものとして転生し、主人公を僕とする。ドキュメンタリー映画「日本心中」では女性の身体に入れ墨を施すシーンが印象的だったが、こちらは「身体」と「美」との格闘の瞬間として考察されるべき事柄である。

そういえば談志の落語の枕にこんなのがあった。
看護婦Aが盲腸の手術を控えた男性患者の局部を剃毛した際、あることに気がついた。
終わった後の、ナースステーションでの会話。
看護婦A「あの患者さん、ペニスに「アダム」って入墨があったのよ。噂には聞いてたけど、ああいうことやる人って、本当にいるのねえ」
看護婦B「どれどれ、あたしも行って見て来る」
しばらく経った後
看護婦B「「アムステルダム」って彫ってあったわよ」
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この記事に対するコメント
誠に…
誠によくもくだらない規制抑圧ばかりを思い付く方でいらっしゃいます。全て公僕ではなく自分の下僕と考えているのでしょう。つまらない支配欲・権勢欲にとりつかれた人間の見本としては極めて有効なサンプルかもしれませんが。
談志家元のネタの別バージョン。某有名米国人プロスポーツ選手の局部を…ナースAは悲鳴を上げた!「AiDSって彫ってあるぅ~!」その後しばらくしてナースB「違うワょ、ADI○ASの間違いョ」…そのスポーツ用品の宣伝によく登場していた選手だったのですね当時(微笑)
【2012/03/02 23:45】 URL | ふぶら #- [ 編集]

Start Me Up
ええ、あのジャケ写は確かに「毒気」に満ちておりましたが、この頃からストーンズは「健康路線」にシフトチェンジしましたな…致し方ないけど。 

「刺青」、何回も映画でリメイクしておりますが、増村・若尾文子バージョン偉大なり!!。

特に南洋の「ヘナ・タトゥー」は神秘的です。大人の証として古来より守られてきた文化ですから。

大阪の件は「表現規制」の第一歩なのかも…格好のターゲットですね。隣の神戸市須磨海岸では去年から、刺青、タトゥー全面禁止(シール・タトゥーも不可)。 
「国際・ペン」創立の趣旨は言論統制・表現規制は例外なく戦争を誘発するからとのこと(日本ペンクラブのシンポジウムにて)。 

その通りだと思う。
【2012/03/03 00:38】 URL | ダムド #- [ 編集]

身も心も
>ふぶらさん
>松下都議
例の条例の時、身体を張って闘って下さった方ですね。あの時は泣く泣く賛成に回らざるを得ませんでしたが、ご尽力には感謝しています。規制側が虎視眈々と先例を作るチャンスを狙っていますので、これからも私たちと共に、立ち向かっていただきたいですね。
>談志
お客さんの反応が微妙にワンテンポ遅れていましたね。尾籠な話なので、省略します(笑)

>ダムドさん
>ストーンズ
またワールド・ツアーを始めるようですね。新作は出るのかな。

それにしても、昨今、身体とか、心とかいったものに対し、やたら権力の汚い手で掻き回そうとする傾向が気になります。「心も身体もあなたたち自身のものではなく、お上からの借り物である」とでも言いたげな…
【2012/03/04 00:09】 URL | のわーる #- [ 編集]

女が女に惚れるって奴ですょ(*^_^*)
はい、松下都議。本当に身体はって自公のあの凄まじい野次の中、自説を曲げず対応して下さった議員さんです。この方が他の都議さんの説得をして下さらなかったら、一昨年あの「非実在青少年」な改正案はさくさくと都議会を通過していました…以下、うろ覚えですが都政報告会その他での名言を。「行政が内心の自由を制限する事などあってはならないと思います」「もしも持論を貫いて落選したならばそれは本望です」…い、言い切ったよ!カ、カッコいい…(拍手!)
しかし一昨年、都議会傍聴いってみて実感しました。如何に未だ日本社会で女性と生まれたら不利かと言う事を…与野党問わず女性議員さんは、あの様な理不尽な、志折れてもおかしくない程の脅迫的な男性議員からの野次と戦っているのかと…。
尤もかの都条例以降、都議会では傍聴が増えて、以前よりは野次が減ったそうです(それは感じました)。伝聞ですが自分の傍聴出来なかった都議会での事、「それでもまだ野次を飛ばす男性議員は居たが減り、最後まで松下先生にワァワァ怒号飛ばしてた、たった最後の一人は都知事だったョ」。勝利(*^_^*)
【2012/03/04 00:53】 URL | ふぶら #- [ 編集]

Re: 女が女に惚れるって奴ですょ(*^_^*)
>脅迫的な男性議員からの野次
頽廃を見る思いですね。思い込みと決めつけが横行し、他人に対してひたすらマウンティングを図ろうとする人たちが見受けられますが、政治の世界も同様の原理が働いてしまっているのでしょうか。
昨今野次が減ったというのはいい傾向です。権力に対する監視の目が如何に大切か、痛切に感じますね。志ある議員さんを支えるためにも大事な事です。天罰の人は晒し者にしましょう。
【2012/03/04 23:43】 URL | のわーる #- [ 編集]


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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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