時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
永劫の罪びとたち
夕方まで雪。やれやれの一日。まあ、毎年雪が降るのは3月ごろだったりするので、ぼやいていても仕方がない。

大分前に予告した、さまよえるユダヤ人伝説の話。もっと早く記す予定だったが、延び延びになってしまった。
伝説の内容は、アハスエルスというユダヤ人が処刑場に向かうイエスを冷たくあしらったために、罰として永久に地上をさまようというもの。16世紀ごろから巷間語られるようになったこの伝説は、シューのみならず、さまざまな文学作品の題材となっている。
ところで南方熊楠によれば、これは仏典の賓頭盧(ビンズル)の話が元になっているという。仏陀の高弟である賓頭盧が、無断で法力を使ったために仏陀の怒りを買い、罰として永久に地上をさまようようになったというもの。実際、両者には共通点が多い。
これらの共通点が文化伝播によるものか、無意識の元型の共通性(人の考えることはどこでも同じということだ)によるものかは定かではない。尚、熊楠は文化伝播説をとっている。
神話などでは異なった地域の伝承が、似通っているケースが見られる。有名どころでは、オルフェウス神話がイザナギ・イザナミ神話と共通することなどが挙げられるだろう。オデュッセイア、アルゴー船、聖杯伝説などは、今日でも様々な物語の原型となっているのだ。
手塚治虫の「火の鳥」の猿田もこのバリエーションと考えていいかもしれない。「ブッダ」でも幾分参照した節がある。それにしても、こうした摩訶不思議な言い伝えが、大昔から洋の東西を問わず、人々の間であれやこれやと語られていたことは実に愉快ではないだろうか。
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Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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