時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
Good luck...
「100000年後の安全」(監督:マイケル・マドセン)を観る。
ひとくちにドキュメンタリー映画といっても、ピンからキリまで存在する。ことに、原発映画ともなると、正しい理念を伝達しようと急ぐあまり、垂れ流しのプロパガンダ映画が出来てしまう場合が往々にして存在する。言っていることは正しい、しかし何の感動も無い。これでは映画として失格である。
さて、この「100000万年後の安全」であるが、本作はそうした陥穽を見事にまぬかれた傑作であるといえる。内容を簡単に述べると、核廃棄物の最終処分場の建設をめぐる諸問題を追いかけていくというもの。後世の人類、もしくは地上を統べる者に対し、最終処分場の存在をどのように伝えるか、あるいは、秘匿していくか、様々な意見が交わされていくが、最終的な結論は出ていない。仮に現代から10万年遡ったとすれば、人類の曙の時代に至る事になる。それだけ途方も無い時間を隔てた存在と、意思の疎通が図れるのか。全く、人類はとんでもない代物を生み出してしまったな、と改めて思う。
だが、扱う問題の社会的重要性もさることながら、この映画には独特の映像センスが反映されている。象徴的な螺旋階段など、合間に何気なくはさまれる様々な映像は、不思議と詩的な効果を醸し出し、最後には静かな祈りのようなものが感じられる。
社会問題を云為する以前に、まず映画として、きちんと成立しているのだ。このことが、凡百の理念のデクの棒とは異なり、本作をより一層好ましいものにしていると思われる。


ところで、共謀罪の成立を目論む狂気の野田政権の最終処分場も、一刻も早く見つける必要がありそうだ。
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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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