時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
理念や公式のアテハメは何者をも齎さない。
森田芳光が亡くなった。年末に来て、まだ訃報を記す事になろうとは思わなかった。私は森田映画のよい鑑賞者ではないが、「家族ゲーム」「サウスバウンド」は目にしている。前者は周知のように、不条理なホームドラマを描いた怪作。後者については、かなりチープで粗が目に付くのだが、それでも観終わった後に残るものはあったと思う。
ここ最近、流石に死亡記事を書くのに疲れてきた。幾らなんでも多すぎる。

ついでに「脱原発「異論」」の感想を記す。あくまでも感想なので、本格的な論をおこすつもりは無い。
一口に言えば、垂れ流し的な座談会を中心に、この間の脱原発運動の動向に関する団塊たちの言説を纏めたものである。
事実関係の認識もかなり杜撰で、思い込みを恣意的にアテハメた現状分析がだらだら語られている。特に「脱原発運動は6.11に右翼と共闘しようとして駄目になった」という件りは噴飯物で、「駄目になったに決まっている」という身勝手な判断を押し付けている。6.11の問題点は、右翼と共闘しようとした事ではなく、ノンセクト団体が暴力的に集会を妨害した事にある。この点の論の杜撰さは、これらスタ団体に対する、論者たちの党派的な擁護が働いていると思われる。
あとは知的輸入業者たちのグダグダの自慢話。長原豊などは、相変わらず程度の低いヒネリに終始しており、読むに耐えない。また、「反スタは反動化する」などと絓秀実がホザくのはスターリン左翼(まさに反動主義!)の醜悪な居直りである。偉そうに高みから語るが、「自分たちの運動は過去に敗北したのだ」という反省がまるで無い。ひかれ者の小唄とはこのような事をいうのだ。
読むに値するのは後半の三分の一程度。「セキュリティ社会との対決」のくだりだろう。ここにおいて漸く内容のあることを語っているなと思える。
正直に言うと、吉本の「「反核」異論」の方が読み応えはあった。吉本の論稿には誤った分析も見られたが、少なくとも「何をしてはならないか」という点につき、重要な示唆を含んではいたのである。

脱原発「異論」脱原発「異論」
(2011/11/17)
市田 良彦、王寺 賢太 他

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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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