時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
神の沈黙
ヴェルコール「海の沈黙・星への歩み」読了。蔵書の消化作業だが、これは学生時代に購入した本。
読み終わるのに少々時間がかかった。スピード感を殺した散文的な文体で書かれた作品で、テーマ的にもかなり重いのだ。
「海の沈黙」における<沈黙>とは、ドイツ兵(良心的な親仏主義者なのだが)に対する恐怖、憎しみの表れであり、最後は重苦しい絶望の表れに繋がっていく。この絶望感は、フランス人家族のみならず、ドイツ兵にも共有されている。
「星への歩み」は、フランスに憧れ、フランスを愛したユダヤ系移民の主人公が、ほかならぬフランス(ペタン政権)によって殺害されていく痛ましい話。主人公のような人々を見殺しにするばかりか、自ら手を下していく、フランスの責任を問うた作品である。
両者とも、異邦人とフランスとの関係をテーマにしている点は重要である。

レジスタンス文学の名著として名高い本作を、わざわざここでレビューするのも馬鹿馬鹿しい気がするが、敢えて感想を記してみた。相変わらず当たり前の事柄しか言えていない自らを、ひたすら恥じるのみである。

海の沈黙 星への歩み (岩波文庫 赤 565-1)海の沈黙 星への歩み (岩波文庫 赤 565-1)
(1973/02/16)
ヴェルコール

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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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