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時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
ゆきゆきて、原発
延び延びになってしまったが、渡辺文樹脚本・監督「バリゾーゴン」「腹腹時計」の感想を記す。
尚、現在も高円寺の油野美術館で、特集上映は開催中だ。
バリゾーゴンの方は、過去の福島原発労働者の変死事件をめぐる、ドキュ・フィクション。亡くなった青年が原発のあり方に批判的だった事、また日頃村からやっかみを受ける存在であったことから、これは密殺ではないかと監督自ら体当たり的に取材を試みる。その様子はさながら「ゆきゆきて、神軍」(監督:原一男)の奥崎健三を思わせる。はっきり言って、無茶だ。合間に再現ストーリーが挟まれるが、実際の真相はわからない。だが事件全体の事実関係とは別に、取材の過程で村社会の閉鎖性や、様々な因習が色濃く浮かび上がってくる。本作の意義はそこにあると言っていい。何が原発社会を生み、何がそれを支えたのか。この映画はその問いを我々に突きつけてくる。
「腹腹時計」の方は、天皇裕仁暗殺をめぐるアクション映画。東アジア反日武装戦線の「虹作戦」が下敷きになっている。ただ、作りはかなり雑だ。そもそも時代背景をいつに設定しているのかよく判らないし、テロリストの証拠の残し方はあまりに無防備だ。
それでも、列車乗っ取り以降の攻防には目を見張るものがあり、監督自身の体を張ったアクションも中々楽しめる。警官役が高齢者ばかりなのはご愛嬌だ。ヒロインの父親が最後に天皇の責任を問うていく場面は序盤の独白シーンと呼応しており、見事に決まっていた。
監督はマカロニ・ウェスタンや初期のコスタ・ガブラスのファンであるとの事。孤高の映画人と見られがちだが、実際は正当な映画的系譜の流れの中にあるのだと思う。
それにしても公安、こんなところに貼り付いていて、何の意味がある?基本的に娯楽映画じゃないか。昔、赤瀬川原平達アーティストが「思想的変質者」としてマークされていたというが、その延長か。バカバカしいにも程がある。

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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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