時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
「あいつら、逃げただけじゃないか」
仕事の休みを利用して三たび足立特集に行く。失敗作と言われる「叛女 無間地獄」、若松孝二監督「性輪廻(セグラ・マグラ) 死にたい女」の二本立て。
後者はDVD化が土壇場で見送られた曰く付きの作品。今でも「若松孝二初期傑作選」のDVD-BOXを検索すると、「性輪廻」のタイトルが表記されているのを目にする。ネガの状態がよほど悪かったらしく、急遽「理由なき暴行」に切り替えられたとの事。
今回の特集でもデジタル上映だった。

「叛女 無間地獄」は家制度のグロテスクな様態と、「自分の世界」を実現しようと犯罪を重ねる女の破滅を描いた作品。いわば「女の自立」がテーマといえるが、いささか古風な感じがしないでもない。個人的には故・山田花子(芸人ではない)の短編を思い出した。映画としてはまとまっているが、かなりしんどい作品。

「性輪廻」は三島由紀夫事件のパロディ。事件の直後に製作され、翌月には劇場にかけられたという。ピンク映画の機動力の高さをまざまざと見せ付けた作品である。平岡正明が「週刊誌並みの早さだ」と絶賛していたのは有名な話。
盾の会の決起に参加し損ねた右翼青年が主人公。いわば三島事件版の民谷伊右衛門である。
物語はこの青年及びその恋人と同じ地平に視点を据え、その意識を追跡していく。だが、もう一組のカップルの心中事件を契機として、青年達は意識の沈降地点から引き上げられていく。この転換は見事なものであり、本作を爽快感のある秀作たらしめている。
鑑賞の機会が少なく、勿体無い作品なので、将来是非ともソフト化して欲しい。
…リマスターの金がないのか、やっぱり。

夜、ダメ画を描き進める。2,3日後には完成する予定。

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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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