時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
われらの狂気を生きのびる道を教えよ
疎外論的な言い方はあまり好きではないのだが、例えば初期の澁澤龍彦の行ってきた事、また、同時代の様々なジャンルにおける作品制作の動向(一括りにアングラと呼ばれる)は、近代的理性が置き去りにし、封殺してきたものを回復しようとする試みだったと思う。置き去りにしたものとは何か、すなわち、性、欲望、暴力、死、侵犯、etc・・・これらは大文字の他者(Autre)に属するものとして扱われる。
陳腐な理性信仰。清く正しく美しく等といった、近代主義的人間観。このインチキ性をぶち壊そうとする試みが、現代における思想的な地平であった筈である。
これに対し、昨今の公権力の行ってきたものとは何か。「欲動など無いと思え!決められた物だけが文化なのだ!」すなわち、抑圧、抑圧、抑圧の連鎖である。意識の抑圧であり、思考の抑圧。完全に成功した抑圧社会においてユートピアが実現するという、凄まじい知的頽廃振りを示している。
ソシュール学者・丸山圭三郎の言葉を借りれば、強すぎる物象化によって表層意識に停滞する狂気である。そう、まさに狂気なのだ。丸山は指摘する。「この狂気は、一切の批判、一切の価値基準の変革、一切の体制への反逆を認めない硬直化をその特徴とし、自らを伝統擁護者と信じ込む」
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テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

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四畳半襖の下張
江戸末期に於いて、春画の取り締まりが散発的に行われはしたものの、次から次ぎへのいたちごっこが続き、やがて奉行所も見てみぬふりとなりましたが、近代(明治維新)になり、アメリカからやって来た、清教徒たちがあれこれと文句を言いだし大日本帝国憲法制定にも時の政府が、彼らや、日本キリスト教矯風会からの意見を参考にし、さらに武家による儒教精神の教義を忖度した結果、禁欲的要素の強い憲法が発布されてしまったのが、悔やまれます。当時の清教徒たちは、メソジスト、バプティストの様に大変先鋭的な保守派(今でもそうですが)ですので、日本の一般庶民は大変迷惑したわけです。
ただし、都市部以外の地方においては地域の掟が根強く残っていたので、旧来からのライフスタイルを維持した社会が残り、それらを民俗学者が丹念に掘り起こし、広く社会に知られるようになり、それが文学にも反映され戦後に至りましたが、やがて戦後カストリ雑誌が無数に発行され、やがてかつてないアングラ文化が顕在化しだしたのですがやがて、摘発が相次ぎ廃れる危険性が議論されましたが、当時の若き表現者や出版社が果敢にタブーに挑んだ事で、今があると推察します。
となると肝心なのはのわーるさんが以前から仰っている「世代のリレー」なのですが、どうもそれを現在の表現者達が怠っているのが一番の元凶なのではないかと…後は大手マスコミの変節も関係していると個人的に感じます。

取り敢えず私は、現在の表現者のけつをひっぱたくことと、偏向報道のマスコミへの監視と抗議の声を挙げ続け、その延長線上で議員への意見伝達及びパブリックコメントの送付を再開致します。
【2011/10/26 03:15】 URL | ダムド #- [ 編集]


未明のコメントは、まだかなり酒が残っており、大変お見苦しい内容で申し訳ありませんでした。 

ただ、意識の抑圧と思考の抑圧は感じ手である国民がどう感じるか?という事になってくると思います。
個人的には、両者共に「停止状態」にあるのでは?と感じております。そして、それらについては、今昔の感は殆ど無いと思います。この国の一般の高齢者たちの大多数は凄まじいほど成熟していませんから。 
それにあの人達の方が世代的に知らなければならないことをことごとく知りませんね。 
本を読まない若者達を批判する世代が一番本を読んでいないんですから、そんな人達が「清く、正しく、美しく」と言っても、こちとら永遠の「不服従」を貫く覚悟です。
あんたらだけには言われたくないと…。 
特に最近やたら見かける防犯ボランティア兼監視パトロールのあの人らを見ると反吐が出ます。

但し、のわーるさんのご両親を冒涜する内容と受けとめられたら、申し訳ありません。 
ウチは親父はもう亡くなっているけど、母親は上述した様な典型的な人物なので。

すいません。ただ単に世代批判になってしまって…。
ヤバイもうこんな時間、仕事に戻ります。
【2011/10/26 13:31】 URL | ダムド #- [ 編集]

Re: タイトルなし
>意識の抑圧
ちょっと言葉の定義にズレがあるような・・・私の場合、寧ろ<無意識>を含めた心理学的な意味で使っているのですね。フルメタル・ジャケット(或いは管理者養成学校)式に自我を封殺・破壊し、国家の言葉、企業の言葉のみを刷り込んでいく。そういったイメージです。

>監視パトロール
近所で「ワンワン何とか隊」と札を下げた不審な自転車がウロウロていました。「あー、犬が来たー」って(笑)。
【2011/10/26 23:33】 URL | のわーる #- [ 編集]


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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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