時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
ぼくは悪童になるんだ
アゴタ・クリストフ著「悪童日記」読了。
ハンガリーの現代史の寓話。いわば第二次世界大戦下の恐るべき子供たちである。
主人公の双子の置かれた境遇は育児放棄、児童虐待に近いような、えぐい環境なのだが、アパテイアの境地というか、徹底的な無感動によって彼らはしぶとく生き延びる。必要ならば彼らは犯罪すらも辞さない。
同性愛の将校、獣姦趣味の少女、破戒僧など、奇矯な登場人物たちの生と死が描かれた後、戦争が終わり、ソ連の衛星国時代がやってくる。
結末で主人公の一人が国外に去り、一人が国元に残るのは、亡命者の心境を象徴的に表現しているといっていいだろう。つまり、魂の半分を祖国に置いてきたということである。

この小説、続編が後二冊あるようなので、こちらも近いうちに読んでおきたい。

悪童日記 (ハヤカワepi文庫)悪童日記 (ハヤカワepi文庫)
(2001/05)
アゴタ クリストフ

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Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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