時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
文化果つるところ
「13日の金曜日 ジェイソンの命日」(監督:アダム・マーカス)を観る。
今回は番外編。ジェイソンの正体が、正体不明の寄生生命体であるという設定。ファンにとっては些か興醒めの感がある。無かったことにされているのも無理は無い。
「ジェイソンX」は過去に観ているので、これでリメイク版を除く全ての作品を観たことになる。そこでひとつ、総括的な事柄を述べようと思う。

ジェイソンが体現するものは原始の野蛮性であり、動物性である。非-理性であり、凶暴なマグマである。彼は並外れた怪力を持ち、マチェーテ(山刀)のような単純な武器を振り回し、人々を惨殺する。彼の暴力はひたすら原始的である。彼は文明が置き去りにし、近代的理性が封印しようと努めてきた、野蛮性の体現者なのだ。それは意識の夜であり、狂気であり、おぞましき退行性である。
いうまでもなく、この闇の部分は我々の意識の奥底に潜んでいるものでもある。いかに近代化し、文明化しようとも駆逐できるものではないだろう。これは影で人間を人間たらしめている要素でもあるからだ。「X」でハイテク兵器を駆使した未来人たちが次々と殺されていくことはそれを象徴的に暗示している。人間が人間である限り、その意識の根幹には拭い難い原始的なものが付き纏う。絶えることがないのだ。よって、ジェイソンが「不死」であることは偶然ではない。落雷によって再生する以前から、既に彼は不死性を内包していた。
近代的理性の闇を体現したジェイソン・ボーヒーズ。彼のむき出しの暴力性は、今後も我々観客を魅惑してやまないことだろう。

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(2008/06/04)
ジョン・D・ルメイ、エリン・グレイ 他

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Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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