時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
「健全」こそ、文化的頽廃の最たる姿である。
既に周知のことと思うが、糸杉柾宏著「あきそら」が重版中止だという。ふざけた話だ。私は単行本をすべて通読しているが、作品の質は決して低くない。無論、作劇上の不満は無いわけではないが、それを差し引いたとしても充分に評価に値する。
本作は、悩み、葛藤を抱えながら生きていく人間を描こうとした結果、近親相姦をテーマにするに至ったものである。よって、これが自粛/規制対象となるのであれば、そもそも漫画は「人間」を描いてはならない、ということになる。
無知蒙昧な偏見と言いがかりを受け入れて簡単に重版廃止が決定されるのであれば、これは読者をの信頼を欺く行為である。のみならず、こうした屈服は、出版社が規制派の尖兵に鞍替えすることをも意味するだろう。つまり、条例に出版サイドの「お墨付きが」与えられるのだ。
規制側は「我々の正義が認められた、更なる規制をかけていこう!」と勢いづくことが予想される。まさに出版社の文化産業としての資格が問われる重大な事態である。
読者はお人よしでも馬鹿でもない。「漫画など消耗品だ、保護する必要なんかないんだ」とするならば、当然に厳しい判断が下される。規制側と結託した出版社の刊行物を、誰が購入しようとするだろうか。
秋田書店には今一度思いとどまって欲しい。
http://togetter.com/li/126512
あるいは秋田書店から離れ、他所の出版社から刊行するということも検討するべきかもしれない。作品がこの世から抹殺されることが許されていいはずはない。
糸杉氏も、ここは意地になってもいいところだと思う。多くの読者があなたを支持している。あなたは決して一人ではない。

あきそら 1 (チャンピオンREDコミックス)あきそら 1 (チャンピオンREDコミックス)
(2008/12/19)
糸杉 柾宏

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Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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