時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
はれんち♪シャルロット
新宿で「アンチクライスト」(監督:ラース・フォン・トリアー)を観る。
子供を事故で亡くした、セラピストの夫婦が心の傷から立ち直ろうとする物語…かと思ったら、終盤、急激に物語の方向性が変化する。「え?」と思いながら呆然としているうちに映画が終わってしまう。反芻すると、全てのストーリーが全て逆の方向で一貫していたことに気が付き、慄然とする。もう一度観てみたい映画だ。
ネタバレになるが、「オーメン」などまだ可愛く思えてしまう。聖書にあまり詳しくないのだが、黙示録的な雰囲気に彩られた作品であることは理解できる。足に穴を開けるのは聖痕のアナロジーか。また、三人の乞食とは何だろうか。東方三博士を逆転させたということか。
狂気に陥ったシャルロットが絶命し、全てが終わった後、山小屋から逃げ出したデフォーが反キリストとして君臨することが示される。

シャルロットの暴走振りが凄まじい。セックスシーンはまだしも、野外でのオナニー、陰核切除など奔放で大胆な演技を見せつける。逃げた夫を「Where are you!? Bastard!!」と喚きながら追いかけるシーンは鬼気迫る勢いで、ぞっとした。
演出面では、水の使い方にタルコフスキーの影響が強く見られる。雨のシーンなどそっくりだ…と思ったら、ラストに献辞が現れた。本人も意識していたのである。
タルコフスキーの宗教性とまるで真逆なのだが、どうなのだろう。映像作家として、俺はここまでやったぞ、という一種の挑戦状だろうか。

一度見ただけでは多くの内容を取りこぼしていると思う。前述したように、何度か繰り返して観たい作品である。


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Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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