時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
真実のもたらす苦い味
マリオ・バルガス・リョサ「誰がパロミノ・モレーロを殺したか」(現代企画室刊)読了。舌を噛みそうな題名だ。
混血青年、パロミノ・モレーロの惨死体をめぐり、主人公達が犯人捜査に乗り出してゆく話。ミステリー仕立てのストーリーの中に、ペルー社会の人種的な確執、社会的格差の問題が浮き彫りにされる。
最終的に主人公達は真相を突き止めるが、人々はそれを信じようとしない。実は国家的な陰謀ではないかという憶測が広まり、読者である我々にとっても、そちらの方が信憑性があるように思えてくる。
いずれにせよ、有力者のスキャンダルに触れた廉で、主人公と上司は左遷される。ついでに「名探偵」として活躍した上司は懸想していた人妻に袖にされ、只のみじめな凡人に転落してしまう。まさに踏んだり蹴ったりだろう。
結局、主人公達は全てにおいて敗北したということだ。そして、ただ一つの事実だけが普遍的な響きをもって後に残される。
「この国で苦しむのは、いつも貧乏人だということさ」

誰がパロミノ・モレーロを殺したか (ラテンアメリカ文学選集 6)誰がパロミノ・モレーロを殺したか (ラテンアメリカ文学選集 6)
(1992/08)
マリオ バルガス・リョサ

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のわーる

Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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