時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
「星座を破壊せよ 星と星の間に新しい線を引け」
条例の件で心が潰れそうになっている。よって、今回は先日観た映画の話をする。
角川書店の件、山本直樹受賞の件など、あちこちで動きが見られたようだが、次回に回すことにしよう。
おっと、「世界」の記事もあったな。


「土竜の祭」(監督:井土紀州 脚本:今村修邦・井土紀州他)

「犀の角が」今ひとつだったので、あまり期待しなかったのだが、こちらはなかなか楽しめた。
ホームヘルパーを営む3人の女達が、詐欺師のカップルと対決する話で、「行旅死亡人」と同じテイストの小品である。終盤、犯人達が驚いて逃げ出すくだりには疑問を感じた(あそこで、逃げ出すのはオーバーだろう)が、まずまずの良作だった。
ヒロインたち3人娘は根無し草のようで、ズボラでいい加減な面を見せている。だが、ヌケヌケと逞しく生きているその姿は爽快だった。
上映後のミニライブがとても素晴らしく、前回のグダグダのトークの思い出を振り払ってくれた。


「泥の惑星」(監督:井土紀州 脚本:天願大介)

若さとはバカさである、と脚本家の荒井晴彦が記したことがあったが、本作ではそんなバカな高校生達の青春群像が描かれる。
やたら偏屈なヒロイン、引き籠りの少年達、一向に卒業するつもりのないミスター留年など、一癖ある登場人物を交えながら、どこにでもいるような、スケベで陽気な主人公達の生態が映し出されていく。このあたり、既視観を覚えた人も多いだろう(ただ、私は恋愛模様だけはどうも苦手である)。
ミスター留年の描き方はかなり微妙かつ絶妙な線を歩んでいたと思う。一見「バカじゃないか、こいつ」と思わせながら、いつの間にか熱い正論を語り始める、不思議な人物像が描かれていた。
そして、物語は彼のやや芝居がかった自殺によって大きく転換する。決して悲劇としてばかり描かれる訳ではない。そこには新しいものに向かおうとする力強い意思が存在する。そして、それに伴ったヒロインの再生の兆しを描くことで、映画は幕を閉じる。

eigaikki
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Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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