時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
西崎義展逝く
頭痛は相変わらずだが、昨日よりは具合がいい。
さて、昨日の続きである。西崎義展が亡くなった。幼少の頃、「ヤマト」の再放送を見て育った世代としては、やはり衝撃は大きい。やはり、良くも悪しくも彼の個性なくして「ヤマト」という作品は成立しなかったのだろう。出来の悪い続編を濫作したのは目に余ったが、金儲け主義だけではあるまい。やはり「ヤマト」に取り憑かれた人生だったのだと思いたい。
無論、著作権裁判、ドラッグ事件、銃刀法事件を始め、様々な黒い噂が纏わりついていることは百も承知である。だが、これらの事件が些かも「ヤマト」の作品価値を減ずるものではないことは強調しておく。変化することがあるとすれば、個人的な感情の問題だけである。
漫画界における梶原一騎のような存在といってもいいだろう。

今から思えば、「ヤマト」のストーリーについては幾らでも欠陥が指摘できる(幾ら敵とはいえ、惑星を滅ぼしたらまずいだろう)。題名からしてナショナリスティックな意識が露骨だし、とりわけ、胡散臭い軍人精神、続編に顕著な無駄な特攻主義、歴史修正願望などは充分批判に値する。
だが、一方でこれが神話的な物語であることは忘れてはならないだろう。
「ヤマト」の物語の原型はギリシャ神話の「アルゴー船の遠征」に求めることが出来ると思う。日本で言えばタジマモリのエピソードを思い出しても良い(彼の場合は帰還が間に合わないのだが)。
若者達は一見無謀とも思える旅に出る。そしてそこには途轍もない試練が待ち構えている。その向こうにあるのはイスカンダルである。「イスカンダル」がアレクサンドロス大王を指す名称であることを思い出してみよう。つまり、この物語は人が英雄(半神)となるイニシエーションの過程なのだ。
作品の評価は様々だと思うが、この人気作の骨格が、堅固な神話的原型に裏打ちされているということは、やはり指摘しておきたい。

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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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