時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
九十にして矩をこえる
昨日予告した、「ふくろう」(監督・脚本:新藤兼人)の感想を記す。
乙羽信子亡き後、齢91歳に達した新藤監督が放つブラック・コメディ。基本的にひとつの舞台空間でストーリーが終始するので、演劇にも向いていると思う。
過疎化により、限界集落となった村に住み続ける母娘の物語で、「鬼婆」との共通性を語ることも出来るだろう。男達を次々に毒殺する様子が、陰惨さを見せることなく、コミカルな筆致で描かれている。「泣きなーさぁいー」と、「花」を歌いながら屍体を運ぶシーンには笑ってしまった。
主要登場人物たちは、いずれも国家によって見放された人々である。無責任な開発計画への批判、格差の問題など、新藤監督の視点はここでもぶれることなく、一貫している。新藤作品には欠かせないセックスのテーマも健在である。
それにしても、この歳でこれだけ愉快な作品を作り出す新藤監督のバイタリティには恐れ入る。「一枚のハガキ」で最後とは言わず、百歳を超えても撮り続けて欲しいものだ。

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のわーる

Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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