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病まない者のいずこにありや

2018.04.22 (Sun)
安倍の訪米はカモネギ外交と揶揄され、惨憺たる結果に終わった模様。何をかいわんやだ。

共産党員の市議が、のぼせた反共青年に引っ掻かれたことが話題になっている。「社会の劣化が」と苦言を呈したくもなるが、よくよく考えればわたし達が学生の頃もキャンパスで情宣中に革マルの襲撃を受けたりしたので、それと比べるとどうなのかという気もしないではない。勿論、容認できない白色テロルであることはいうまでもないが。

Thomas Hauser ‘Le Spectre de la Rose’ 読了。
シリアルキラー(連続殺人犯)というと、なかなか常識的な思考では捉えづらい。通常の人間はそうそう殺人を犯せない。それが大量殺人となると尚更である。戦争においては殺人を犯すべく、精神の枷を破壊すべく訓練を行い、更に戦地という異常な緊張状態に置かれるので、また事情が異なるだろう。
松本清張の「ゼロの焦点」だったか、出自を隠すために大勢の命を奪う犯人の姿にわたしは違和感を覚えたものであるが、これがもっと記号化された探偵小説となると、ひとつの犯罪を糊塗するために大勢の人を殺したりなど、かなり無茶な展開すら存在する。
そんなわけで、大量殺人犯は通常、異常性格者として描かれるものである。これもイメージが安易に大量消費されている感が無いでもないが、きりが無いので絡むのはやめる。
本作はシリアルキラーを扱ったサスペンス小説だが、なかなか面白かった。ストーカーめいた片思いの恋人が実は無実だったというのはおおよその予想はつくだろうし、ミステリーを読みなれた読者であれば犯人も予想できるだろうが、読ませてくれる。一読すればわかると思うが、実をいうと、どの登場人物も心が壊れているのである。これが現代というものだろうか。たちが悪いのはやたら特定の人々を異常者扱いし、社会的排除を叫ぶ連中で、「健常とは最大の性格破綻」と言いたくもなってくるが、小説とは関係ないのでやめておこう。

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