時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
読書録 2017.5.20
共謀罪の強行採決で胸糞が悪い。
何故国会周辺に集まるのか?みんな黙ってられないからだ。「冗談じゃない」その思いが国会、そして各地の集会に足を向けさせた。「戦略的にー」だの、「効果を期待できる方法論ガー」などという高尚な寝言を語る連中は、能書きをたれる前に、人の気持ちに対する想像力を身につけるべきである。

この間読んだ本

・笠井潔「青銅の悲劇」
正直、ミステリーとしては精彩を欠く。だが、笠井の探偵小説論、そして学生運動の総括がちりばめられていて、充分読み応えはある。

・ヴァン・ダイン「僧正殺人事件」
昔、小林秀雄が江戸川乱歩との対談でゴチャゴチャ文句を言っていたが、衒学の迷宮はやはり魅力的だ。小栗蟲太郎へと至る系譜の原型がここにある。

・綾辻行人「Another episode S」
アニメ化されたAnotherの外伝。ヒロインの鳴がキャラクターとして確立しているため、魅力的な作品とはなっているが、彼女がいなかったらつまらないものになったかもしれない。
・綾辻行人「人形館の殺人」
凡作。この手の叙述トリックはもう飽きた。ミステリーの鉄則で、一人称の主人公は・・・

・ピエール・カミ「ルーフォック・オルメスの冒険」
カミである。カミュではない。シャーロック・ホームズのパロディ作。トンチンカンな探偵がシベ超の水野晴郎以上に妙ちきりんな推理を展開し、めでたく事件を解決していくというもの。バカバカしくも、実に楽しい作品。
・ピエール・カミ「機械探偵クリク・ロボット」
同じ作者によるSF探偵物。今度はロボットが事件を解決する。この人の作風はボリス・ヴィアンの作品にも通じるものがあり、もっと評価されていい。近いうちに、ツン読だった「エッフェル塔の潜水夫」を読もうと思う。

・笹本祐一「カーニバル・ナイト」
・笹本祐一「ラスト・レター」
妖精作戦シリーズの3、4巻。今もって未読のままだったので、勢いで読んだ。ほろ苦い青春SF

・山本弘「MM9」
一般読者向けの、怪獣SF小説。なかなか面白く、ドラマ化もされているらしいがそちらは未見。続編があるのだが、少し方向性が変わるので保留。

・桜庭一樹「GOSICK PINK」
アニメにもなった「GOSICK」の外伝(作者による二次創作と言ってもよい)。RED、BLUEに続く最新作である。大戦中の仲間の死をめぐるトラブルがテーマだが、あまりミステリー色は強くない。過去にシリーズ本編のイラストを担当していた武田日向が急逝したことから、暫くツン読になっていた同書に手を出してみた次第である。

・莫言「赤い高粱」
舞台は語り部の「私」が生まれるずっと前。抗日戦と祖母の嫁入りの話が平行して語られる。汚物などの描写を露骨に行うのは中南米文学(遡ればラブレーだが)の影響だろうか。正直、この辺りの才覚はマルケスのほうがずっと優れている。
祖母の話は状況を掴むのに手間取るせいか、ややまだるっこしい。後半、祖母が自立するあたりから急に話が進み、読みやすくなるのだが。

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テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント
PCから書き込むのは初めて
なんか、大変な世の中になろうとしているね。自民党の古川某は「原発や基地問題など政府の政策に批判的なtweetも共謀罪に含まれる」なんて言っているし、金田法相は話にならんし、安倍は逃げるし、こんなデタラメ内閣初めてみたよ。マストドンインスタンスが始まったけれどもこれじゃあ使い物にならんよ。ネット社会もこちら側が利用しているようで、実は軍事テクノロジーを基にした「パノプティコンシステム」として逆に監視されているから一網打尽よね。左右関係なく活動家の人たちはこれからどうするのだろうか?

最近読んだ本。

響堂雪乃「二ホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへ」
ベーコン「ノヴム・オルガヌム」
イェーリング「権利のための闘争」」
ラ・ボエシ「自発的隷従論」
開高健「ベトナム戦記」
宮武外骨「アメリカ様」
大和田俊之(他)「ラップは何を映しているのか」etc.

【2017/05/20 11:30】 URL | ダムド #iu8Dq9Ko [ 編集]

Re: PCから書き込むのは初めて
現在、脳トレのつもりで家に溜まっている本をひたすら消化しています。ちょっとした事情がありまして・・・
現在は、或るマンガ(bande dessinée)をゆっくりゆっくり読んでいるところです。フランソワ・デュルペール/ファリド・ブージェラル「ラ・プレジダント(女性大統領)」というものです。「マリーヌ・ルペンが大統領になったとしたら?」というもので、内容についてはいずれ紹介するつもりですが、妙に既視感があるのです。何だろうと、よくよく考えたら「日本なんか安倍だぞ」なんですね。読みながら、色々考え込んでいます。
【2017/05/21 23:16】 URL | のわーる #- [ 編集]


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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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