時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
欅坂の白日夢
今月の下旬まで忙しいので、あまり更新する余裕がないのだが、黙っていられないので触れておく。
セルジュ・ゲンズブールに「ナチ・ロック」という曲がある。アルバム「第四帝国の白日夢」に収録され、シングルとしても発売されたものである。内容はナチスをテーマにした、言葉遊びとナンセンスのオンパレード。このアルバム全体がそういった確信的な悪ふざけに徹しており、「ナチ・ロック」から「S.S.イン・ウルグアイ」までそれは一貫している。
勿論、本作を手の込んだナチス批判と受け取ることも出来るのだが、そうした糞真面目な政治性の枠に収まらない、精神の渇望がここにある。鹿爪らしい良識に喧嘩を売った、いかにもカウンター・カルチャーの牽引者にふさわしいスキャンダラスな作品だが、当然、発表当時は喧々囂々たる非難の嵐だったという。本人も、全て覚悟の上だろう。
ゲンズブールはユダヤ人である。ナチスに迫害され、苦しめられた当事者であり、ナチスに傾倒する余地はない。その彼が敢えてナチスをポップな主題にする。これは彼が投げかけた問いかけであり、よく考察されるべきである。

さて、長々と書き記してきたが、わたしの言いたいことは他でもない。欅坂46とかいうグループのことである。ナチス親衛隊を模したコスプレは、どちらかというと映画「ナチ女収容所」を連想したくなるのだが、この問題点はやはり、「何も考えていない」「考え無しに行っている」という点に尽きると思う。あの制服を「格好いい」(当然だ。ナチスはその最高の美意識を徹底的に悪用したのだから)と評価したいのならば、それだけの理由と覚悟が必要なのだ。喧嘩する覚悟があるのか?無いだろう。その程度の意識で扱えるような代物ではない。
デヴィッド・ボウイにしろYMOにしろ、覚悟があった筈である。

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※ついでにシド・ヴィシャスの写真も挙げておく。この人の振る舞いについても、色々考えてみると面白い。
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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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