時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
荒れて吠えてたアウトロー ~ 望月三起也逝く
望月三起也が亡くなった。「ワイルド7」、「最前線」、「バラの戦士」等、どこまでも硬派で力強いアクションを描いた人だった。私の少年期の重要な時期は、「ワイルド7」の思い出と共にある。
ワイルド7とは、警察の特殊白バイ部隊であり、証拠が無い為に通常の警察では逮捕できない悪人を抹殺するための組織である。メンバーは指揮官の草波勝以下、7人の元死刑囚から構成される。
勿論、無茶な設定には違いない。真面目に考えれば、証拠もなしに誰かを処刑するというのは、どう考えても擁護のしようがない話である。この日本では、証拠ともいえない証拠を根拠に有罪判決を下され、無実の可能性が高い人間が処刑されることすら、現実に起きているからだ。
だが、少し視点を変えてみよう。先の定義「証拠が無い為に通常の警察では逮捕できない悪人」という概念をとことんまで突き詰めてみるといい。そこで浮かび上がってくる最終形態は何だろうか。言うまでもない。そこにあるのは、政治家や権力者の姿である。この作品が、反権力に向かっていくことは必然であった。
詳しい作品論は、長大になるので別の機会に譲る。あまりにも思い入れが深いのだ。私は望月の作品から「権力悪」という概念を徹底的に叩き込まれた。彼の主人公たちは、警官という猟犬として登場しながら、最終的には権力に対抗して、狂犬のように牙をむくのである。これが私の価値観を決定付ける、重要な要素のひとつであったことは間違いない。

「少年キング」連載の、無印版「ワイルド7」の最終話「魔像の十字路」は、主人公たちの果敢な抵抗にもかかわらず、軍事ファシズム政権が成立する話であった。今、まさにこの悪夢の作品世界が現実になりつつある。望月もこれでは浮かばれまい。
「この日本もイヤな風が吹いて、住みにくくなってきやがったなぁ」(ワイルド7)

CfH5ka_UUAELYua.jpg
左の菊地秀行の本は、表紙を望月が描いている。今となっては最晩年の作品。
スポンサーサイト

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
http://noir731.blog106.fc2.com/tb.php/1508-613ec1c1
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

のわーる

Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



のわーるのつぶやき



最新記事



カレンダー

08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30



最新コメント



過去記事のアーカイブ



カテゴリ



最新トラックバック



2010年「国際ジュゴン年」



検索フォーム



リンク

このブログをリンクに追加する



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



QRコード

QR



RSSリンクの表示



全記事表示リンク

全ての記事を表示する



FC2カウンター