時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
血塗られた<祖国>
このところ体調を崩しているため、まとまった思索もできない。荒削りな文章しか書けないのが情けないが、これが今の自分の姿である。
「図書館大戦争」の感想を記す。日本のライトノベルではない。ウクライナの現代作家、ミハイル・エリザーロフの長編小説である。
内容は、ソ連時代の凡庸な作家・グロモフなる人物の著作をめぐる聖杯伝説的な争奪戦。この著者の著作には不思議な力が備わっており、読むものに様々な特殊な作用を齎す。主人公は叔父の死をきっかけにこのこの読書室に加入することとなり、血で血を争う苛烈な抗争劇に身を投ずることとなる。当初は順当に続いた司書としての生活も、やがて強大な謀略によって壊滅させられ、主人公の属する読書室もメンバーは全員殺害、主人公もまたパラノイア的な老婆の奸計により、書物と共に幽閉される身となる。

何とも摩訶不思議なストーリーだが、これが何らかの寓意を示していることは間違いない。鍵となるのは「ソ連」である。全体主義国家の崩壊と、その後に到来した社会への幻滅、あり得なかった社会への待望などがそこに込められている。
とりわけ<意味の書>という最も謎めいた書物が示すものについて、色々考察してみたいのだが、ちょっと今のところそうした余裕が持てない状況である。そのうち再読しながらじっくりと考え抜いてみたいと思っている。

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テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

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のわーる

Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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