時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
「芽生え」への祈り
年明け早々「朝生」で自民党がやらかしている。バカにつける薬は無いというが、それにしてもこの問題、「悪いのはテレ朝!自民党は悪くない!」という方向に流れて行きそうな気配がある。どうなっているのか?

映画「ジェルミナール」(監督:クロード・ベリ)を観る。ジェルミナールとは革命暦で、「芽生え月」を意味する。原作はいうまでも無く、エミール・ゾラ。ルーゴン・マッカール叢書の13巻目にあたり、「居酒屋」のジェルヴェーズの息子エティエンヌ・ランティエが主人公。劣悪な労働環境に晒される炭鉱労働者の、命懸けのストライキと、その敗北を描く。ゾラといえば、悪名高い実験小説論が頭に浮かぶが、彼は遺伝や科学を弄ぶ、つまらない理論家ではない。エミール・ゾラは、まず第一に作家であった。彼は、作品世界のもつダイナミズムをよく知っていた。そして、このダイナミズムは今回の映画にもよく表れている。
最初の一時間は正直きつい。だが、ストライキが始まり、状況が緊迫してくると俄然引き込まれるようになる。このあたり、もう少し時間配分を何とかして欲しかったが、まあそれはいい。
ストライキは労働者の分断、憲兵など暴力装置の導入、外国人労働者の活用など経営者側のしたたかな戦略などにより敗北を迎え、エティエンヌもやむなく仕事に復帰する。しかし、急進派による坑道破壊のあおりを食って、エティエンヌ達は坑内に閉じ込められ、最終的に多くの労働者が死亡。九死に一生を得たエティエンヌは炭鉱を去る。
当初、何故この小説を今更映画化するのか理解できなかった。だが、本編を見ているうちに考えが変わった。あまりにも私たちの現実と近すぎるのだ。19世紀の資本主義の齎した弊害は、今日に至るも解決されていないのである。
一時期、「蟹工船」が持て囃され、映画化もされた(私が観たのは旧作のみ)ものだったが、地球の裏側においても同様のテーマが今日的な課題として取り上げられていることは、記憶されて良い。私達にとっても必要な作品である。


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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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