時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
「われわれがSFに見出しているのはわれわれの思想である」
ジャン・ガッテニョ著「SF小説」(クセジュ文庫)読了。
タイトル通り、SF小説に関する包括的な論稿であるが、やたらゴチャゴチャしていて散漫な印象を覚える。
SFの創始者として、著者はヴェルヌよりもウェルズに比重を置き(リラダンやポーはやはり少し違う)、
E.R.バローズ、ハインライン、ヴァン・ヴォクト、ブラッドベリといった作品群にスポットを当てる。
ニュー・ウェーヴ作家は名前こそ登場するが、言及は少ない。また、反ユートピアの系譜としてザミャーチン、オーウェル、ハックスリーなどに重点を置いていることも本書の特徴である。
本書の大半は、これら膨大な作品群の特質、性向の分析に当てられているのだが、SF小説を読みなれた立場からすると、「科学」との関係に拘泥し過ぎている気がしないでもない。これがあまり重要ではないことは、我々にとってもはや自明の理であろう。もっともこれには、門外漢に対する啓蒙といった意味があるのかもしれない。
幾分異論を覚える点はあるものの、示唆に富む、有意義な本だと思う。




根津甚八が引退した。色々病気に苛まれていたらしく、大変だったろうと思う。特に椎間板ヘルニアは、私も患っているので辛いのはよくわかる。
彼は状況劇場、つまり唐十郎の劇団出身。映画でのデビュー作は「濡れた賽の目」(監督:若松孝二 脚本:荒井晴彦)。若松プロが日活に売った映画である。
根津が封印したがっているという噂を聞いたことがあるが、「赤P」をめぐる騒動の後、若松-荒井関係がようやく修復した時期の作品なので、機会があれば観てみたいと思う。

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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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