時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
ザッツ・オーライ!
生頼範義が亡くなった。嘗て小松左京や平井和正の小説に親しんだ身からすれば、この人の存在は常にこれらの読書体験と共にあったといえる。
西洋彫刻のように、彫りの深い顔立ちを持った人物群、ミケランジェロを思わせる巌のような肉体、そして緻密に書き込まれた背景。どれをとっても、そこには生頼範義の独特の個性が刻印されていた。時として、人物の顔立ちのケバケバしさに閉口したが、それでも尚、私たちの青少年期にひとつの原体験を刻み込んできた人であった。これはまぎれも無い事実である。
彼は映画のポスターも数多く残してきたが、その画力から、「どんなクソ映画も名作に見せるポスターを描く人」という、褒めているのか貶しているのかわからない評を受けたこともあった。「首都消失」や「キングコング2」(ラウレンティス版)などはその良い例である。いわばイラスト負けというもので、これは平井和正の一部の小説などにも言えることだった。表紙は格好いいが、話は進まない、内容が劣化している等々、頭を抱えたことも屢々である。むしろ表紙によって、内容を頭の中で底上げしながら受け止めている部分もあった。今となっては懐かしい思い出である。
今日でこそライトノベルはアニメ絵が主流であるが、同じ役割をこの重厚なイラストが担っていたかと思うと、感慨深い。アニメ絵が心地よいのはこちらも重々承知である。だが、ごついイラストの魅力というものも、今日のラノベ読者に知ってもらいたいと思う。楽しみは、多いほうがよいものだから。
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テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

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のわーる

Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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