時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
映画のある風景
映画のブログだった筈なのに、この間殆ど映画を観ていない。どうもぐうたらで気まぐれな性分のため、映画から遠ざかる羽目になってしまった。映画を観るにも気力と根性が要るものである。
たまたま、ここ一、二週間の間に何本かの映画を観る機会があったので、忘れないうちにここに記す。

・肉弾鬼中隊(監督:ジョン・フォード)
両次大戦間に製作された古い映画だが、時代を感じさせない作品である。舞台は第一次大戦下のメソポタミア。今日のイラクあたりか。ストーリーは単純で、道に迷ったイギリス軍の偵察部隊が、アラブゲリラからの攻撃を受けるというもの。一人、また一人と兵士が抹殺されていくあたりは、なかなかスリリングな展開となっている。
兵士たちはゲリラの影に怯え、追い詰められ、精神的にズタズタになっていくが、こういう場面は例えば「リダクテッド」(監督:ブライアン・デ・パルマ)などでも観たような気がする。「ブラックホーク・ダウン」(監督:リドリー・スコット)にしてもまたしかりである。戦場の有様は時代を超えて普遍的なのだろう。「ゲリラの人間像が見えてこない」という不満はあるかもしれない。だが、敢えてイギリス兵の姿に焦点を絞ることによって、戦争の非人間性を浮かび上がらせることに成功した作品だった。

・ウェーク島攻防戦(監督:ジョン・ファロー)
大戦中に製作された、米国製の戦意高揚映画。タイトルの通り、ウェーク島における日本軍との攻防を描いた作品である。作中の「なんちゃって日本語」は聞くに堪えず、古い映画とはいえ、粗さが目立つ。
映画がプロパガンダ性を含むのは左程問題であるとは思わない。問題は、その作品がプロパガンダの域を超え、普遍的なものに達しているかどうかである。本作からは、残念ながらそうした意義深い要素は見出せなかった。米軍兵士達の日常生活・喜怒哀楽の姿は丁寧に描けていたと思うが、見方によっては型通りの典型ともいえる。
勿論、こうした人間性の描写は作為的な意図を含んだものである。人間味溢れる米軍兵士に対し、日本軍兵士は不気味なエイリアンそのものとして描かれる。あたかも昆虫か何かのように、一切の人間味を感じさせない。この手法からは、プロパガンダがどのように作られ、演出されていくかをまざまざと思い知らされる。昨今でも「テロリスト」を描く映画・ドラマなどでもこのような悪質な手法が踏襲されている。その意味では、色々と勉強になった映画だった。

・ラブライブ!(監督:京極尚彦 脚本:花田十輝)
所用で外出した際、ちょうど時間が余ったため、いいタイミングで観ることができた。内容は、思わせぶりに終了したテレビ版の続編である。出来映えはまあ、「それなりに楽しくは観られる」といったところか。決して傑作というほどではないのだが。
前半が米国行きのエピソード、後半は国内ライブを成功させるために奮闘する話。アーティストが必ず向き合う、「自分は何のために活動をしているのか」という問いかけをぶつけてくるあたりは悪くない。単純であるが、いつの時代にも問い直されるテーマである。
海外に発つ場面は、丁度こちらも慌しい海外出張を済ませたばかりだったので、色々と感慨深かった(米国ではない)。それにしても、ニューヨークを「世界の中心」と絶賛するあたりは田舎者根性丸出しである。どこのお上りさんだろうか。観ているこちらの方が恥かしくなってきた。花田よ、爺さんが嘆くぞ。
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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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