時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
さまよえる「自由」
「レイプレイ」というアダルトゲームがあった。月刊誌「創」をお読みの方はご記憶のことと思う。海外からの抗議に遭い、販売中止になったといういわく尽きの代物である。ゲームとしての出来はいまひとつだったようで、マニアの間でも評価は高くない。私も内容は詳しくは知らないのだが、確か堕胎を巡る扱いの安易さが、攻撃のきっかけになったかと記憶する。
映画「ザ・インタビュー」を巡る騒動で、このゲームのことが妙に思い出されてならなかった。ここで表現の自由を唱える人たちは、このゲーム作品についてはどのように考えているのだろうか。多くの場合、「規制は当然だ」と言いそうな気がする。となれば、結局は線引きの基準を争っているだけで、「表現の自由を守れ」という命題は破綻する。作品を「靖国」と置き換えたり、「天皇伝説」「妹ぱらだいす」を代入してみてもよい。
ポルノ創作物=女性差別というのであれば、「ザ・インタビュー」も北朝鮮差別ということになる。また、この種のポルノ作品は、そこで描かれる世界に対し「そんな馬鹿な」と、一線を画すことを前提としているものである。そう考えると、「ザ・インタビュー」の社会風刺のほうが、現実に直結している分、「罪深い」ということになりはしないか。
私が言いたいのは、「表現の自由を守れ」というとき、事実に基づき、論理的一貫性を持った立論をして欲しい、ということである。「こちらは守るべきだが、これはダメだからダメ」「これは~に決まっているからダメ」では、論として失格である。
尚、「レイプレイ」よりも遥かに過激な性描写を描き、「ザ・インタビュー」よりもどぎつい社会風刺を含んだ作品が、パゾリーニの傑作「ソドムの市」であることを申し添えておく。
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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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