時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
母を恋ふる記
予告していた「MOTHER マザー」(監督・脚本楳図かずお)のレビューを記す。
話の骨子は単純で、亡くなった主人公の母親が、その亡執から、主人公他、親類縁者に次々と祟るというもの。
テーマ的には作者の代表作である、「洗礼」に共通するものがあるが、劇中でも自己言及的に同作が取り上げられている。「洗礼」は若さへの妄執に取り付かれた母親と、娘との愛憎劇だった。結末を知った上で読み返すと、主人公であるさくらの振る舞いが、より凄絶に、艶かしく思えてくる。
本作の母子関係には、近親相姦的な強迫観念が濃密である。母親が若すぎる気がするが、承知の上で意図的にキャスティングしている可能性が高い。終盤の夜の学校での対決シーンはなかなか楽しめた。
無論、アップの多様など、技術的には幾分の違和感は感じられる。だが、奇を衒ったり、あざとさを狙ったりすることなく、極めてオーソドックスに仕上げられていることは評価したい。
よく誤解されるが、基本的にホラー映画とは怖いものではないし、怖い映画などそうそう作れるものではない。さしあたり、このホラーマンガの大家が、まずまずのデビューを飾った事を喜びたいと思う。


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のわーる

Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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