時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
余計なお世話だ
「妹ぱらだいす2」(作画:御影石材)が東京都の青少年健全育成条例の適用対象となったのは既に周知の通りである。実に呪わしい事態というしかない。どのような創作物であれ、読まれる権利は存在するのだ。
そんなわけで、早速同書を購入した。グロテスクな巨乳描写に辟易しながら読了する。内容は、主人公と5人の妹で繰り広げられるハーレムストーリー。かなりデレデレした性描写が続くが、本格的な近親姦に至るのは終盤になってからである。
原作付きの作品にありがちだが、マンガとしての出来はお世辞にも褒められたものではなく、かなり拙劣で杜撰である。もっと何とかならなかったのだろうか。流石にこれは勿体無い。
尚、一部で誤解されているが、わが国では近親相姦罪という罪は存在しない。犯罪となるのは児童虐待などに相当する場合のみである。
インセスト・タブーは世界中で普遍的に存在するが、その根拠となると少々曖昧である。巷間よく伝えられる「遺伝的な欠陥が発生する」というのは医学的根拠が無い。むしろ、タブーがそういった理由付けを生み出したと考えていい。そうなると、結局は「気持ち悪いから」という結論に帰着する。これはかなり生理的感覚に基づいた嫌悪感であるだけに、根強いものがある。
但し、古代社会などにおいては兄妹婚、姉弟婚は存在したようである。これは日本においても同様であり、天皇家では異母兄妹間の婚姻が行われていた。
スエトニウスの「ローマ皇帝伝」によれば、皇帝カリグラは自分の妹全てと肉体関係を持ったとされている。記述の調子からして、こちらは当時でもタブーであったらしい。
文学作品では有名なものとして、三島由紀夫「熱帯樹」、夢野久作「瓶詰の地獄」、ソポクレス「オイディプス王」、サド「悲惨物語」、バタイユ「わが母」、ムジール「特性のない男」などが挙げられる。マンガでは手塚治虫「奇子」が圧巻だった。糸杉柾宏「あきそら」が中途半端に打ち切られたことも記憶に新しい。

結論を言う。一体、架空の世界の兄妹が、ヤったのヤらないのと何を騒いでいるのか?いい大人がそんなことに目くじらを立てて、何が面白いのか?摘発だ、規制だ、青少年に悪影響を与えるだのと、ヒステリックにワメき散らしている姿こそが、一枚のポンチ絵に他ならないのだ。
尚、健全を標榜する、ご立派な公権力の親玉たちは、教育勅語を再評価しているそうだ。

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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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