時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
ガルシア・マルケス逝く
ガルシア・マルケスが亡くなった。
私がマルケスの名に初めて触れたのは中学三年生の頃、安部公房のエッセイ・対談集を読んだときのことだった。「死に急ぐ鯨たち」という書物である。一時期の安部が、マルケスだ、カネッティだと騒いでいたのをご記憶の方も多いだろう。
今では安部の評価を額面どおりに受け止めるつもりは無いが、少年期の私の心にマルケスの名は深く刻み込まれた。後に筒井康隆によるマルケス評にも接したが、同じことがいえる。
毎度同じ文句で恐縮だが、私はマルケスの良い読者ではなかった。安部や筒井に乗せられてのめり込もうとしたが、あの土着的な雰囲気がどうも馴染めず、「百年の孤独」も途中で挫折した。たしか中盤の鉄道が開通した辺りだと思う。結局、読んだのは「エレンディラ」などの短編と、「戒厳令下チリ潜入記」といった、ルポルタージュである。「愛その他の悪霊について」はこのブログでもレビューを記した。
マルケスについては「魔術的リアリズム」という言葉ばかり独り歩きしており、妙ちきりんな作風を持った作家というイメージが先行している向きがある。だが、今更ながら翻ってみると、その作品の奥には彼の地の複雑な社会背景と、行き詰った困難が透けて見える。彼の登場人物に、ゲバラやカストロなどの影を見出すことは難しくない(尚、マルケスはキューバを支持し続けた)。
今、本棚を漁ってみたが、未読の本がどこへやら埋もれてしまい、ちょっと見つけ出せない。「族長の秋」や「迷宮の将軍」など、見つかったらそのうちレビューしてみようかと思う。
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Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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