時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
劇場版の時間だ
何故かPCからネットに接続できない状態が続いていた。取り敢えず、映画の話から。

劇場版「モーレツ宇宙海賊」(監督・脚本:佐藤竜雄)を観る。
原作は「妖精作戦」の笹本祐一。とはいえ、この作品、テレビシリーズの後半からオリジナルストーリーが進んでおり、本劇場版も完全に独自のストーリーである。尚、監督は「ナデシコ」でお馴染みの人であることはご存知の通り。
主人公は女子高生宇宙海賊・加藤茉莉香。海賊といっても、私掠船免状を持った政府公認の合法的海賊であり、アトラクションへの参加や他の宇宙船の護衛、荷物の運搬などを生業としている。彼女はヨット部(ヨットといっても宇宙船である)の仲間や、同業の女子高生海賊・チアキ、外惑星の王女らと出会い、協力し、日々成長を重ねて行くのだった・・・
以上が作品世界の大まかな概略である。さて、本劇場版であるが、物語は茉莉香が「亜空間ダイバー」を父に持つ少年・無限彼方(むげん・かなた)を保護するところから始まる。彼は宇宙を牛耳る巨大コングロマリットに身柄を狙われていたのだった。企業が少年を狙う目的は、彼の父親が遺した重要な秘密である。少年の父は、亜空間航行のエキスパートであった。この作品世界では、宇宙空間での移動、貿易には亜空間航路の利用が欠かせない。企業側は既に亜空間航路に物理的な障壁を設けることで利益を独占しつつあったが、これを完全なものにするためには、無限氏の持つ情報も自らの管理下に置く必要があったのである。少年の存在は、その秘密を解く鍵となっていたのだった。
茉莉香達を狙う巨大企業との熾烈な争いの中、遂に彼女達は無限氏の宇宙船を発見する。父への複雑な感情を抱いていた少年だったが、ついに父親の思いを受け入れることを決意、遺された亜空間潜航艇に乗り込み、父親が探求した亜空間最深部の果てへと到達する。やがて、少年はそこから、亜空間航路を開放し、独占資本の思惑を突き崩すのだった。

やや込み入った話なのでわかりにくいと思うが、要するに、大企業が高速道路を独占しようとしていると思えばいい。劇中で、「不景気、不景気」と茉莉香達が繰り返す辺りは世相をよく反映しているし、多国籍企業のあくどい手口を風刺しているとも言える。
だが、本作は何を措いてもまずはスペースオペラである。弾けるような爽快さがここにある。「銀河鉄道999」へのオマージュも小気味良い。謎解き、お宝探しとその争奪戦(つまり中世の聖杯伝説のパターン)、少年少女の大活躍といった、ストレートな王道ストーリーだが、王道を馬鹿にしてはならない。意味も無く無駄に陰惨にした鬱ストーリーこそ、精神の貧血症の表れだろう。


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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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