時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
予言者になんか、なりたくなかった。
「図書館戦争 革命のつばさ」(監督:浜名孝行 脚本:古怒田健志)を観る。テレビ版の総集編かと放置していたのだが、実際はテレビ版の続編だった。
メディア良化法の制定により、表現活動の規制・弾圧を押し進める「良化隊」と、これに対抗する「図書館隊」の武力衝突が続く世界。ある作家が執筆権を剥奪されそうになり、主人公達図書館隊がこれを庇護することとなる。法廷闘争の結果、作家は敗訴、海外への亡命を決意する。だが、身柄拘束を画策する良化隊の襲撃により、死に物狂いの攻防が展開される。

舞台設定上の荒唐無稽さはひとまず措く。むしろ本作は、児ポ法、青少年条例など、表現規制の一連の流れを知っている人にとって極めて生々しいテーマとして受け止められてきた。この数年間、事あるたびに本作の名が挙げられていたのはこうした事情による。原作者は「私は予言者になりたくて図書館戦争を書いたのではない」と、規制の動向を嘆いていた。先刻のNHK会長の「政府が右ということを左というわけにはいかない」発言といい、情けない時代になったものだ。
「検閲はうまくくぐり抜ければいいものだと思っていたが、決してそうでは無かった」という一言は、表現活動に携わるものは肝に銘じたほうがいい。弾圧は、結局は全員の身に降りかかってくるのだ。「よい検閲」など存在する道理は無く、妥協に妥協を重ねた結果、何も言えない、何も書けない状況に辿り付く事は理の当然である。そんな社会で生きる人生は、果たして「生」と呼ぶに値するのだろうか。

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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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