時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
疎外された選挙
疎外論的文脈で語るのであれば、現代日本における選挙のあり方は、選挙から人間性が疎外された状態にあるといえる。そこでは党利党略のみが至上の命題と位置づけられ、巧妙に立ち回ること、勝ち残るための技術的な巧みさのみが求められていく。いわば、戦術論が物神化されるのだ。挙句の果ては、戦略を語ることが運動の本質であり、倫理そのものであるかのような理念的倒錯が生まれる。
無論、ここで「今こそ選挙に人間性を取り戻せ」と観念的に叫ぶつもりはない。嫌な話だが、現状では、一旦このグロテスクな状態を受け入れた上で事態を打開して行くしかない。廣松渉風にいえば、資本主義社会の物象化はそれほどまでに強固なのである、というところだ。
だが、この現在の状態を当たり前のものである、絶対的なものであると錯認しないで欲しい。選挙のあり方とは、一種の社会的関係性である。恒常的な属性ではない。
そもそも社会運動に携わる人達は、こうした動向に飽き足らず、新しい政治の形を求めている人が殆どだと思う。これに対して、戦略至上主義的な立場から罵詈讒謗を投げつけたり、憎悪をこめて攻撃したりすることは愚劣である。人間性を求める運動が人間憎悪に転落する事例には、もううんざりだ。何度同じことを繰り返すつもりか。
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テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

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>そもそも社会運動に携わる人達は、こうした動向 に飽き足らず、新しい政治の形を求めている人が 殆どだと思う。

去年夏、参院選の可視化作戦で顕在化し、全国キャラバンに繋がり、それが指標化した後の名護市長選は大成功だったね、尤も地元有権者の民度の高さの勝利でもある訳だけど(南相馬市長選もね)。


市民の側から主体的に動き、その後立候補者を送り込み、当選後も政治に参加して行く時代に突入したかも?勿論その際には人間性も試される訳で。

【2014/01/21 01:20】 URL | ダムド #iu8Dq9Ko [ 編集]

Re: Z氏の無料メルマガ。
ドイツ観念論の、ヘーゲル→ヘーゲル左派→初期マルクスに至る疎外論のシェーマを用いてみました。疎外論自体にはマルクスが自己批判するように、重大な欠陥があるのですが、説明を判りやすくするために、敢えて援用した次第です。
名護市長選では、メディアが投票率30%台(実は当日投票のみの数字。トータルで76%!)という数字を強調し、民意を反映していないかのような印象操作を行う始末。舛添の、助成金による借金返済疑惑は報道されるのか?頭の痛い話が続きます。
【2014/01/23 02:01】 URL | のわーる #- [ 編集]


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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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