時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
雑想
家庭の事情でゴタゴタしたため、心身ともに芳しくない。この間読んだ書物の中からいくつか感想を記す。

ハインライン「夏への扉」
一種の時間旅行もの。ハインラインはあまり多くは読んでいないのだが、名作と呼ばれるだけあって、なかなか読ませる。この系譜は晩年の「ヨブ」にまでつながっていると思う。個人的にはこうした白昼のファンタジーよりも、もっと重厚というか、魔的な雰囲気のある作品の方が好きなのだが。

上橋菜穂子「夢の守り人」
精霊の守り人シリーズの第三弾。歌声が眠りをいざなうと言うのはギリシア神話のセイレーンや、ドイツに伝わるローレライの魔女伝説など様々存在する。本作の登場人物たちは、何らかの挫折や、愛するものとの死別により、あり得なかった生を渇望することにより、危険な夢の世界へと引き込まれる。
私自身は前作の「闇の守り人」の方が好きなのだが、本作も切ない余韻を感じさせる良作だった。

想田和弘「日本人は民主主義を捨てたがっているのか?」
「選挙」でお馴染みの映画監督・想田和弘が、この間様々な場所で論じてきた内容をブックレットにまとめたもの。橋下徹ブームから、自民党圧勝を巡る考察、そしてズルズルと今日のファシズム的な状況が生まれる過程を通して、著者は「消費者民主主義」という概念に行き当たる。
人々が社会の成員(主権者)ではなく、消費者として自己を位置付けることによって、今日の「熱狂なきファシズム」を生み出してしまったのではないか・・・この仮説は、かなり重要であると思える。
薄い分量ながらよく纏まっているので、一読をお勧めしたい。
スポンサーサイト

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
http://noir731.blog106.fc2.com/tb.php/1314-f1780f0e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

のわーる

Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



のわーるのつぶやき



最新記事



カレンダー

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -



最新コメント



過去記事のアーカイブ



カテゴリ



最新トラックバック



2010年「国際ジュゴン年」



検索フォーム



リンク

このブログをリンクに追加する



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



QRコード

QR



RSSリンクの表示



全記事表示リンク

全ての記事を表示する



FC2カウンター