時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
夏の日の断章
お盆休み、とかであるらしいが、一日中色々歩き回っていた。8.15とは関係が無い。家の近所を行ったり来たりで、文字通りのヤボ用である。
懸案だった書き物が先ほど終わり、少しホッとする。おかげであまり休んだ気がしないのが残念だ。
・この間読んだ本。
 笠井潔「吸血鬼と精神分析」。笠井のミステリー「矢吹駆」シリーズの一冊。「オイディプス症候群」の次作に位置する。ジュリア・クリステヴァとジャック・ラカンが名前を変えて登場。勿論、鏡像体験論やアブジェクシオン理論などが盛んに語られる。レビューはじっくり読み直してからにしたいと思う。だいぶ先のことになると思うが。
 笠井潔「サマー・アポカリプス」。これは同じシリーズの第二作で、だいぶ以前に読んだものの再読であるが、読み直してみると今ひとつの印象。S・ヴェーユ(劇中では「リュミエール」)との対決部分にもっと頁数を裂いて欲しかった。
笠井が主人公に「カケル」の名を与えたがるのは、荒岱介のPN「日向翔」を意識したものだと聞いたことがある。真偽の程は知らない。二人が党派を超えて近しい間柄に会ったのは事実のようだが。

運動圏において、分裂や対立など、スターリン主義の亡霊があちこちで復活している事にやり切れない想いがする。「自分たちは真理を体現した無謬の党(団体)だ」という妄想を捨て去らない限り、こうした運動は破産に追い込まれる。同じ過ちを繰り返すな。この文言は原爆の問題だけには限らない。

スターリン主義といえばもうひとつ、文化スターリン主義というものがある。早い話、プロレタリア文学論に代表される、政治主義的文化論だ。
だいぶ以前にE・サイードのエピゴーネンたちが、スターリン主義文化論に第三世界主義の衣を着せ、新たな装いの元に売り出した時にはあきれ返ったものである。「西洋中心主義」を「ブルジョワ的」と置き換えれば、ソ連製の文化理念がそのまま甦る。この種の置き換えは、多くの文化論においても見受けられるので注意するべきである。文化をちゃちな政治的公式で計ろうとするな。理解したいと思ったら謙虚に学べ。それ以外に道は無い。
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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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