時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
従順な精神の形成
まだ風邪から回復していないのだが、少し気になった事を記しておく。

1.辛坊治郎の件、遭難者を救助するのは当たり前だし、むしろ、手遅れになる前に渡航を断念したのは良かったと思う。謝罪する必要など、特に感じない。だが、彼は高遠菜穂子氏達がイラクで人質になった際、「自己責任論」を声高に振り撒いた張本人である。今回の遭難を謝罪する必要は無いが、人質事件の際に振り撒いた害毒についてはちゃんと謝罪して欲しい。

2.竹花豊が東京ビッグサイトの社長に就任したことは各所で報じられているので、今更解説する事も無いと思う。
本件に関し、様々な揣摩憶測が広がっているが、断定できる材料は無い。中には「肉を切らせて骨を絶つ」的なカウンターとして、肯定的に捉える見方さえある。
だが、彼が社長職に就いているという事実のみで、大きな萎縮効果が生まれることは事実だ。特に弾圧のために何かをする必要すらない。コミケットの参加者は、常に規制派の眼差しを意識しながら開催期間を過ごすことを余儀なくされる。
ミシェル・フーコーは「監獄の誕生~監視と処罰」において、「一望監視方式」というモデルを取り上げている。刑務所などで、中央に刑務官のいる部屋が設けられ、放射状に獄舎が伸び広がるという建築様式である。服役者達は常に中央にいる看守の目に晒されている。この監視モデルはよく出来ていて、しまいには看守が不在の時にも、「見られているかも知れない」という意識を服役者に植え付ける。結果、服役者達はおのずと従順な存在となり、抑圧を受けたのと同じ状態を自主的に作り出す。いわば、凹状に、窪んだ存在となっていくのだ。
コミケの場合にもこれと同じことがいえる。強硬な規制派がトップに置かれる事により、参加者達は自主的に規制を行うようになる。権力は自ら武器を行使することなく、完全なる抑圧状態がそこに完成する。
率直にいって、このような状態で作家達が自らの能力や創造性を充分に発揮できる筈が無い。「重圧に負けるな」などというのは、陳腐な根性主義だ。反撃を行いつつも、開催地の変更など、検討した方がいいだろう。
スポンサーサイト

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

この記事に対するコメント
コンプリート・コントロール
「監獄の誕生」でも触れているベンサムの「パノプティコン」は未読です。後に後者は不埒な目的で執筆された事を聞かされ、爆笑。フーコーはそれに対しマジレスしてしまいましたが、結果、あの名著に出来上がり、しかも図だけに限らず、写真付きで丁寧な内容に。

コミケに関して、後は参加者達の危機意識 次第で方向性が別れて来ると思います。まだ1回しか行った事ないけど。去年まだ残暑厳しい中、のわーるさんに教えて貰って以来アキバで色々とやった時に判ってしまったけど、あの反応じゃ、ちょっと・・・足を止めて聞いてくれたのはスタジオ帰りのギターケース抱え、エフェクター等の器材をもった、兄ちゃん中心、これだもの。

遡ること木曜日、高円寺でTPPストリートミーティング、のわーるさんご存じの通り、プライベートで問題抱えていて、行けるかわからなかったけど、実際に行ってみて知ってしまった、厳しい現実の数々、かつてない危機を迎えてしまいましたが、行ってみて知る事の大切さも痛感、嬉しかったのは帰ろうとしたら、某氏の事務所からテツさん始め仲間達が激励しに来てくれた事。

土曜日の、それ自民デモで再開、顔が合うなりDamnedのデビュー曲を歌ってくれて嬉しかった。デモ自体はまさかあそこまで人数が膨れ上がるとはビックリ。集合場所は5月LOVEデモの時と同じ柏木公園、LOVEデモの時も人数多いな、と思ったけど明らかに今回の方が参加者数は上、飛び入り参加者も多く、しかも若者中心。初めて見る顔の方が圧倒的に多い、ポップでパワフルなデモでした。

尚、翌日、柏木公園を終了地点とした自称国士様集団のデモ、カウンター側が更に増加して2000人以上来て圧倒したみたいです。

他にも、Save Me Save Usデモ(素人の乱)、アルタ前でサンバプラネッタ隊とか、カオスな新宿の日曜日。なんでも、木曜日~日曜日総て参加した強者がいたそうな。それも決して運動の為の運動ではなく、本気で世の中を変えようとしているのが凄い。

【2013/07/01 01:58】 URL | ダムド #iu8Dq9Ko [ 編集]

Re: コンプリート・コントロール
色々とお疲れ様です。
フーコーは妙なところから着想を引っ張ってくる人で、ボルヘスの短編や、阿呆船伝説などは有名ですね。「監獄の誕生」にも「お尻叩き機械」という妙な機械が紹介されていました。

このところ、体調不良と私生活のゴタゴタが続いているので、なかなか大きなアクションに出られません。後者は立て続けに想定外の厄介事が舞い込んでいるため、落ち着くまで暫くかかりそうです。まぁ、やれる範囲で動いていく事にします。
【2013/07/01 22:40】 URL | のわーる #- [ 編集]

コンプリート・コントロール
のわーるさんと出会った事は、人生の出来事で、とてつもなく大きいね、勿論良い意味でさ。

誰かが私を待っている、と言いながら、誰かを待っていました。実際に出逢って以来約1年半分死に近付いたけど、精神的には確実に強くなれましたよ。ありがとう。まだ少しだけ頑張ってみるよ。
【2013/07/02 00:21】 URL | ダムド #iu8Dq9Ko [ 編集]


この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
http://noir731.blog106.fc2.com/tb.php/1264-885a9ad5
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

のわーる

Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



のわーるのつぶやき



最新記事



カレンダー

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -



最新コメント



過去記事のアーカイブ



カテゴリ



最新トラックバック



2010年「国際ジュゴン年」



検索フォーム



リンク

このブログをリンクに追加する



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



QRコード

QR



RSSリンクの表示



全記事表示リンク

全ての記事を表示する



FC2カウンター