時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
藪よ、お前はどこへ行く
(承前)ユリーシャと誤認され、拉致された森雪はフラーケンの次元潜航艇に護送され、収容所惑星に赴く。イスカンダル人はガミラスにとって崇拝の対象であるため、特別待遇だ。収容所長は面白半分に囚人を撃ち殺して遊ぶという、人としての風上にも置けない人物。雪の到着時に人種を巡る諍いがあり、フラーケンがなかなかいい所を見せている。
一方、この捕獲作戦による銃撃戦の最中、ヤマトでは本物のユリーシャが覚醒。雪が拉致された直後に皆の前に姿を現す。この辺は珍しくご都合主義的だが、許容範囲だ。
甚大な被害を受けたヤマトは補給のため、地球と環境の近い、とある惑星に向かう。ガミラス勢力圏である事から、古代は偵察機に乗って様子を調べるが、勝手にユリーシャが同乗し、雪はあの惑星にいる、と伝える。状況を考えれば、左程不自然な展開ではない。人間が居住可能な惑星は、かなり限られているものだ。ここで、破壊された営倉から脱出した伊東と藪が姿を現す。古代達に銃を向け、再び反乱を企てるが、銃が暴発、計器を破壊してしまい、不時着する。
四人はガミラスに拘束されるが、丁度その頃収容所で反乱が勃発。混乱の中、伊東は戦死、拘束されて転がっていた藪は銃を手渡され、反乱に参加させられる。
そこへ現れたのがメルダ・ディッツ達のグループ。収容所の反乱を側面支援していたことが判明する。反乱は成功を収めるが、危険を察知したフラーケン達により、雪はそのままユリーシャとしてガミラス本星に連行される、
収容されていた、ドメル夫人、ディッツ(父)らはヤマト側と会談。和睦とまでは至らず、物別れに終わるが、メルダが連絡要因としてヤマトに残留。ディッツ(父)達は他の収容所惑星の解放に向かう。なぜか藪は収容所惑星に残留。幾ら鈍いとはいえ、古代が藪を見捨てていくとは考えにくい。藪本人の意思が働いている可能性が高いだろう。
ガミラス本星に到着した雪は、セレステラに正体を見破られるが、デスラーは意に介さない。偽者であってもかまわない。ユリーシャを手中に収めたことにすれば、イスカンダル統合のための政治的アリバイが成立するのだ。
ここでシュルツの娘や、ドメルの愛鳥と戯れていた少年達、花束の童女(回想シーンではミレーネルも)が再登場するなどのサービスも用意されている。さながらガミラスキャラクター総動員といったところだ。また、セレステラのデスラーに対する想いが暗示され、次章への伏線にも余念がない。
ヤマト側ではユリーシャやディッツからガミラス側の重要情報を入手。二重惑星である事、イスカンダルとガミラスの関係等を知ることになる。ここで女子会など、ほのぼのした場面が挿入されるが略す。いよいよ目的地を前にするが、波動砲を思わせるガミラスの超兵器(旧作のデスラー砲か)がヤマトに向けて放たれ、本章は幕を閉じる。

ユリーシャによる冒頭の一連の台詞からも窺われるように、本章でもまた、「ヤマト及び人類の原罪」がテーマとなっている。「彼らは来た、戦いと共に」の一言は、直接的には「ガミラスが七色星団にやってきた」ということであるが、同時に「地球人が戦いと共にやってきた」という意味を含んでいる事は押さえておきたい。メルダと同様、ユリーシャもまた、地球人を「好戦的な種族」と見做しているのである。
ガミラスサイドで唯一、必要以上に戦争を望んでいるのはデスラーなのだが(ギムレーのようなバカは別だ)、彼の性格がよく掴めない。これは製作者側が意図的にわかりにくくしているもので、最終章でどのように描かれるのか、眼が離せない。
また、古代守がイスカンダルに居るのか。現在のところは謎のままである。まさかキャプテン・ハーロックとしてデスシャドウ号を乗り回している事は無いだろうが(時代設定がまるで違う)、いずれにせよ色々辻褄を合わせる必要があるだろう。

さて、本作で一番気掛かりなのは藪の今後だろう。旧作ではイスカンダルのダイヤモンド鉱山の下に埋もれていった彼であるが、本作では誰もが予想しない道を辿る事になった。新見のような特殊能力もないので、今更「どの面下げて」戻ればいいのか判らない。死亡者扱いになっていることもあり、天涯孤独の身の上、新しい世界で生きることを決めたのだろうか。
本人の台詞にもあるように、彼は伊東達の口車に乗って散々振り回された存在である。結果、一番の貧乏籤を引くことになった役回りだ。反乱の首謀者だった新見の待遇に比べると、割に合わない。視聴者にとって最も等身大の存在であるだけに、行く末が気に掛かる。

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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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