時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
あなどりがたし
(承前)惑星に残された遺跡から、古代たちは亜空間ゲートの情報を入手。400年前に放棄された装置を起動させるため、真田、古代、森の3人が出動する。記憶喪失の森雪=ユリーシャ・イスカンダルという噂が流れている事に対し、真田は古代たちに真実を告げる。ユリーシャは確かに乗艦している。しかし、その正体は森ではなく、岬百合亜でもなかった。
ユリーシャは自動航行装置の中に体ごと組み込まれていた。イスカンダルの場所が特定できないため、交通事故で昏睡状態となったユリーシャの脳を航行装置に接続し、道案内代わりとするためである。人道上許されない事である点、また、行き先も不確かな出たとこ勝負の航海方法である点から、ヤマトの最高機密となっていたが、ここに至ってとうとう真相が乗組員全員に周知されることとなった。同時に岬百合亜の奇妙な言動も、その霊媒体質ゆえ、ユリーシャが憑依するようになったことが確認された。
亜空間ゲートに話を戻す。真田が装置と格闘するうちに、その起動時に高濃度の中性子線が一時的に放出される事が判明。真田は制御室の扉を中からロックし、古代達を締め出す。危険な目にあうのは自分ひとりで充分ということである。扉の向こうから、自分はメ号作戦(第一話の戦闘)が囮である事を知っていた。しかし、それを親友である古代守に知らせなかった、古代が戦死したのは俺のせいだ、と真田が懺悔する。
ここで中原中也の「汚れちまった悲しみに」が朗読される。ひょっとして新見を含めての三角関係の含みを持たせているのでは、と推測したのだが、考えすぎのようだった(中原のこの詩は一人の女性を巡る小林秀雄との確執が背景にあるのだが)。システムの起動後、苦心の末に古代と雪は外側からロックの解除に成功。真田が水中に避難して無事である事を知り、ほっと安堵するのだった。
言うまでもなく、旧作で真田の過去が語られるシーンの再現である。例の遊園地事故の回想に相当するのだが、義手義足設定はなし。勿論爆弾も内蔵していない(当たり前だ)。結果、旧作以上に大人の苦しみが語られる優れた展開となった。尚、真田は本人が思っているよりも遥かに文学青年である。
さて、亜空間ゲートの再稼動に成功したヤマトクルーだが、ここで調査が必要となる(旧作のオクトパス星団の調査が重ねあわされる)。航空隊の篠原がそれを買って出るのだが、ゲートを抜けた先のバラン星には一万隻のガミラス艦隊が終結。ガミラスNo.2の最高幹部、ゼーリックが重大発表のために召集したものである。篠原は迎撃を受けながらもかろうじて生還する。
一方ゼーリックはデスラーの急死を公表。自らが後継者となることを宣言する。とそこへ、死んだ筈のデスラー本人からの入電。殺害されたのは影武者であり、全てゼーリックを炙り出すための罠だったことが明かされる。逆上するゼーリックだが、腰巾着であるゲールにより射殺。あえなく最期を遂げる。
篠原の報告を受けた沖田は敢えて強行突入を決断。1万のガミラス艦隊の前に姿を現し、マゼラン銀河に通じる第二の亜空間ゲートを目指して遮二無二突っ走る。ここで波動砲をバラン星に向けて発射。爆縮を誘起させた上で、全速力で第二のゲートに突入。ガミラス艦隊もろとも亜空間ゲートの入り口を破壊し、完全に振り切る事に成功する。ゲートを抜けたヤマトの前には広大なマゼラン銀河が広がっていた。
ゲールが銃をとったのは保身のためか、怯えによるものか、どっちとも取れるだろう。この辺りの小物ぶりは、さしあたり人間的ではあるので悪くは無い。
それにしても激闘シーンに始まり、激闘シーンに終わる一編だった。目くるめく展開に翻弄されるような印象だが、一方で「地球-ヤマトの原罪性」というテーマが提示されていることにも着目したい。先制攻撃の件、ユリーシャの扱い、波動砲という「大量破壊兵器」(しかも劇中の台詞だ)の危険性、地球人の手もまた汚れているのである。この点の洞察が今後も継続されていくかどうか、本作の成功の可否はそこにかかっていると思われる。

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付記:亡くなった三國連太郎については、後日記す予定。
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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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