時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
専制と反乱、そして裏切り
戦争映画の面白さは、断じて「戦争の面白さ」ではない。この違いを理解できるものだけが、戦争映画を楽しむ資格を持つ。そんなわけで、昨日観た「宇宙戦艦ヤマト2199第五章 望郷の銀河空間」の感想を記す。勿論、容赦なくネタバレ全開。あっという間の二時間で、圧巻の一言だった。

旧作では頓珍漢な愚策を乱発した迷将・ドメルだが、本作では名将の名にふさわしい活躍ぶり。ヤマトの先を読み、裏をかき、二段、三段構えの攻撃で撃沈寸前まで追い詰める。いよいよ止めを刺そうというところで、突如本国から召還命令を下され、已む無く撤退。ドメルが気の毒になるが、このまま続けていればヤマト撃沈、ストーリーが終わってしまうので、まあ仕方が無い。
召還されたドメルはデスラー総統暗殺の事実を告げられ、容疑者として拘束される。政権内部の権力抗争に起因する謀略だが、一方的に裁判が進められ、死刑判決を下される。一方、反政府活動の支援をしていた妻(こちらは冤罪ではない)も拘束され、収容所に送還される。ここでメルダ・ディッツが再登場、口惜しげな表情を浮かべながら送還される人々を見送る。
ドメル夫人達反政府グループの描き方はナチス物の映画などで散々描かれてきたものを参照している。やたら既視感のあるのはそのためである。
危うく難を逃れたヤマト内部では反乱が勃発。首謀者はイズモ計画(移民計画)派の新見と伊東。イスカンダルへの航海を断念し、ビーメラ星系の惑星を第二の地球として、移住計画を遂行しようとする(勿論、藪は反乱側の手先として参加している)。しかし、山本玲の奮闘や、星名の暗躍により、形勢が逆転。新見も伊東のマキャベリストぶりについて行けず、反乱計画はあえなく潰え去る。
一方、惑星の調査に乗り出した古代、岬百合亜達は、滅亡した遺跡内部に波動コアを発見。ここにも地球と同様、イスカンダルからの「救済」の手が差し伸べられていた。
生きた昆虫人間が登場しないのは、松本零士への配慮なのか。そのかわり巨大な節足動物が登場し、パワードスーツを装着したアナライザーが大活躍をする。百合亜がキャッキャッとはしゃいでいる姿が可笑しい。
尚、本作の冒頭では反乱を起こした植民星をデスラーの親衛隊が滅亡させるシーンがある(この親衛隊とデスラーの関係もかなり微妙である)。旧作のビーメラ星人の反乱はここに消化されているのだろう。

以上で第五章の前半の解説になるのだが、これだけでも情報量が多い。旧作を観ていない人はさぞかし大変だったろうと思う。後半部も波乱万丈なのだが、解説は次回に回す。

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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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