時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
壊れものとしての社会
「巨神兵東京に現わる」という短編映画がある。「ヱヴァQ」と同時上映されているので、ご覧になった方も多いと思う。ストーリーは単純で、「ナウシカ」の巨神兵が突如現代の東京に現れ、町を焼き尽くすというもの。
物語の背景は一切説明されない。不条理な破滅が日常生活の中に突如訪れ、一切の生と希望を叩き潰していく。サード・インパクト後の世界を描いた「ヱヴァQ」の舞台設定とシンクロするものとなっているが、むしろ震災後の私達の記憶と繋がるものがあるように思える。震災直後、私は世界の終わりを感じた。誇張ではない。暗闇の中、ガスタンクの炎上する光景は今も忘れない。勿論、原発事故にまつわるものもこれらの記憶の内に含まれるのは言うまでも無い。
「ゴジラ」が原爆と戦争のメタファーであるなら、「巨神兵」は震災(と原発)のメタファーである。堅固なものと思えた世界が、実は脆弱でもろいものであるという事実。考えてみると、これは物理的な事柄に限らないような気もする。
例えば、民主主義という制度がある。今日、人類にとって最も普遍的に価値あるものとして普及した社会制度であるが、今その原則が根底から破壊されようとしている。どこか別の国の話ではない。この日本という国においてである。「巨神兵」との違いは、これが予め予測され、人々の意識から起こるべくして起こる出来事であるという点である。慌ててからではもう遅い。
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Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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