時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
14万8000光年の孤独
選挙も終わり、一段落したところで、暫く放ったらかしになっていた「宇宙戦艦ヤマト2199 第三章」の映評を掲載する。だいぶ前に記したものである。運動がらみの話題ばかりでは、流石に息苦しくなるので(「ヱヴァQ」のレビューも近々掲載するつもりだが、こちらはちょっと消化不足)。

本作は前作の冥王星決戦の後を受けて、太陽系離脱から、次元断層(宇宙のサルガッソー)のエピソードまでを描いたもの(結局「アステロイド・ベルト」は出てこなかった)。全体のストーリーの中盤に相当する。
ロボットであるアナライザーの「人間性」をテーマにしたくだりが要となっている。本作のアナライザーは旧作のようなスカートめくりは行わない(私は全く覚えていないが)。これには下らない「大人の事情」が関わっているらしい。「非実在犯罪はけしからん」というわけだ。代わりに置かれたのが本作のエピソードである。
AIと人間性というテーマはSF作品ではおなじみのテーマ。これらは「科学がどこまで迫れるか」というより、「人間を人間たらしめるものは何か」というのが真のテーマであるので、念のため申し添えておく。
話の内容はガミラスのロボットとアナライザーの交流と悲しい別れを描いたもの。劇中劇を巧みに活かした点もさることながら、アナライザーのちょっとした仕草に寂しさや哀しみがよく表れているところが実にいい。結果的には旧作以上に人間臭いアナライザーを見ることが出来た。

終盤の次元断層からの脱出シーンは、かなり甘いものとなっている。つまり、ワープ中に次元断層にはまり込んだヤマトとガミラス艦が、一時的に協力して脱出を図るというもので、戦争のリアリティーから考えればかなり苦しいものとなっている。
製作者は、純血ガミラス人と二等ガミラス人(つまり植民地人)との確執を根拠に乗り越えようとしているが、書き込み不足の感は否めない。二等ガミラス人が「ガミラスのためには死ねない、地球人と協力する方を選ぶ」とするくだりをもっと強調する必要があったのだ。尤も、この辺りは後のストーリー展開でも挽回は出来そうなので、そちらに期待したい。尚、旧作ではこの場面、窮地のヤマトにスターシャがエネルギーを送るという、御都合主義的な展開になっていたと思う。
重要な点がもうひとつ、ガミラス側の主張によれば、先に戦争を仕掛けたのは地球人であるという。ここが後の話にどのように結びついていくのか、目が離せない。この主張が事実であるとすれば、先の展開も大きく変わってくる筈である。

以前にも記したが、ディテールのこだわりは並大抵ではない。ガミラスが戦死者の遺族に手当てを支給している点など、思わず感心させられる。フレアを波動砲でぶち抜く場面、ガミラスの捕虜を殺害しようとするくだり等、旧作の重要エピソードも本作で(一部形を変えながら)消化されているので、40代前後の旧作ファンの期待にも充分こたえる出来映えとなっていることは記しておきたい(私は再放送で育ったヤマト第二世代)。食わず嫌いは勿体無い。

尚、年末ジャンボデモは体調が充分でないのと、仕事があるため見合わせる。しかしひどい雨だが、高円寺は大丈夫か?
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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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