時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
死後の「新作」
会社に行くのが苦痛。周囲の態度から露骨な嫌悪感が窺われ、完全にアウェイ状態の日々が続く。もとより、2,3ヶ月で社員が続々と辞めていくような会社だ。半年以上居てやっているだけありがたいと思え。

暫く前に購入したまま未読になっている本に、「ルパン、最後の恋」というものがある。作者は勿論モーリス・ルブラン。一体アルセーヌ・ルパンシリーズの最終巻はどれになるのかと戸惑う人も多いと思う。当初は「カリオストロの復讐」が最終巻かと思われたが、その後に「ルパン最後の事件」というものが現れた。そしてこのたび新たに発見された遺作である。一般に、遺作というものは中途半端な出来栄えになるもので、読むのを躊躇していたが、ほったらかしても仕方がない。カタい本にうんざりしていた事もあるので、そろそろ眺めてみるとしよう。精神のウォーミングアップにもなろうかと思う。尚、本作もストーリーは形を整えているが、推敲不足であるのは事実らしい。
南洋一郎訳のルパン全集は、ボワロ&ナルスジャックによる二次創作を含め、小学生の頃に全て読み通してしまったものである。このシリーズは、改作ともいうべきものが少なくなく、殆ど丸々南の創作というものまで存在する。しかもそれが一番面白かったりするのだからややこしい。文庫版ではこれら南色の強い作品が排除されてしまっているようで、実に残念だ。
ルパンシリーズの決定版ともいうべき邦訳は、偕成社版だと思う。他に堀口大學訳の傑作選や、創元推理文庫版などがあるが、網羅的に揃えたものとしては、偕成社版を措いて他に無い。辰巳四郎の凝った表紙も魅力的だ。
個人的には、ルパンシリーズを通して二十世紀前半のフランス社会誌を考えてみたい気もしている。

尚、誰もがご存知の二次創作のマンガ作品については、今日は割愛する。

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Author:のわーる
首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
たまに衝動的におかしな絵を描いたりもする。
尚、この「のわーる」という名前は同名の素晴らしいアニメ作品とは直接関係は無く、サド侯爵の登場人物の名に由来するものである。



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