時を告げない大時計
映画やら書物やらをめぐる、つれづれなる断想など
不毛さの果てに
朝日新聞に鈴木邦男のインタビューが掲載されている。
鈴木によれば、今は政治が「大声コンテスト」になっているという。相手の意見を聞くのではなく、異論を潰す事が主眼となってしまっているということである。私も太宰治ほどではないが、言い合いをすれば必ず負かされる自信はあるので、鈴木の問題意識は共有する。
プラトンの対話編に「ゴルギアス」というものが存在する。例によってソフィストのゴルギアスがソクラテスに論破されるという筋立てだが、ここで描かれるゴルギアスはディベートの専門家という事になっている。言葉を操って如何に相手を論破するか。これは既にディアローグではない。勝つか、負けるか、それが全てである。
個人的にはソクラテスこそ、この道のエキスパートなのではないかという気がするが、それはともかく、討論ゲームをめぐる環境は、今も昔も変わりがないらしい。そこでは議論自体の残した内容や成果は二の次になるか、あるいはどうでもいい問題になってしまうものである。
ディアローグ(対話)とディアレクティケー(弁証法)は語源を一にする。相手の意見に耳を傾けることにより、高次の結論に至ろうとする。それが対話の本来の目的である。大声コンテストにはそれは無い。只の潰しあいのマウンティング劇である。そもそも、そんな事で勝ち負けを決めて、何が面白いのだろう。

尚、史実のゴルギアスは絶対的不可知論を説いた人物。対話編の登場人物とは性格を異にするようである。
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首都圏に生息する一介の映画バカ。といってもまだ映画歴は浅いため、大家の作品をあまり見ていなかったりする。
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